スマートシティーも同様だ。インド政府は100のスマートシティーを開発すると公表している。号砲を鳴らし、市場の拡大と未来の可能性を示唆し、協力を求める。そしていずれ民間の多数の企業がこのプロジェクトに参入することで、都市のインフラ開発のみならず様々なビジネスレイヤーにテクノロジーを取り入れていこうという意欲が見て取れる。

 先般、インド南部のアンドラプラデシュ(AP)州でスマートシティーを題材にした国際カンファレンスが開かれた。その中で、スマートシティーの課題解決案を競うビジネスコンテストが行われた。最優秀賞に選ばれると、州政府が実施するPoCに参加できるという触れ込みで、選ばれたのはデリーのシェアリングビジネスを行うスタートアップだった。その他の優秀賞にはイギリスやシンガポールの企業が名を連ねていた。

 スマートシティーなど民間企業単体ではなかなかPoCがやりづらいようなモデルに対しても、政府が市場づくりを後押ししつつ、それらに大小問わず民間企業が呼応し、さらに必要であれば、海外からも積極的にプレーヤーを呼び込み、社会課題解決に向かおうとする。そんな力強さがインドにはできつつある。

チャレンジャーに門戸を開放

 今年9月にデリーで行われたモビリティカンファレンスでも、スタートアップを巻き込んだハッカソンが開催された。このハッカソンへの応募は4万件を超えるものだったという。

 スマートシティー、EV、フィンテックといった産業単位での動きもあれば、「Make In India」、「Digital India」、「Skill India」、「Invest India」などの政策が徐々に功を奏してきているように見える。今までであれば、政府の活動には自国の企業であったり、ブランド力のある大企業が選ばれたりするようなケースが多かったようにも感じるが、企業規模の大小、国内外問わず新しいチャレンジをしたい企業をオープンに募集し、そういった新しい力を活用しようとするインド政府の動きは、見習うべきものがある。

 アイデアと実行力を持った企業に対して、今まで以上に大きな門戸が開かれていると言ってもいいのかもしれない。

あちこちのスマートシティプロジェクトで導入されているコマンドコントロールセンター。写真は、警察などに向けた教育を行うNPO法人、IRTE(Institute of Road Traffic Education)の例。街中のカメラで収集した交通情報の、分析・活用が予定されている
あちこちのスマートシティプロジェクトで導入されているコマンドコントロールセンター。写真は、警察などに向けた教育を行うNPO法人、IRTE(Institute of Road Traffic Education)の例。街中のカメラで収集した交通情報の、分析・活用が予定されている