これによって、B社は以下の3つから選択を迫られることになります。

(1)「Fit」が株を買い受けるのを認める
(2)B社自身が買い取る
(3)それ以外に買い取ってくれる人を指定する(見つけてくる)

 これは制度として決まっている話で「株を買いたい」と言っている人(今回のケースで言えば「Fit」)が現れているのに「その人に売っちゃダメ」と会社側が言うだけでは、いつまでたっても株を売ることができなくなります。

 それでは株主の権利、利益が守られません。そこで「その人に売っちゃダメ」と言うからには「自分で買う」か「誰か買う人を見つけてくる」かを選ばなければいけない。そういうルールになっているのです。

 さて、B社は「私たちの買い取り請求」に対して、どのような判断を下すでしょうか。

 「Fit」が「21」の関連会社であることは、相手も重々承知しています。実はB社と「21」はライバル会社なので、「株の買い取り請求」をしてきた相手として、これほど不気味な存在はありません。

 買い取り請求を出してから3カ月後、先方からの返答が届きました。結果は株式譲渡不承認。私が予想した通りの展開です。この通知により先輩たちが保有している株は「Fit」以外が買い受けることが確定しました。

 では、どこが買い受けるのか。それについても返答がきました。

B社の株 → B社が買い受ける

Bチェーンの株 → B社が買い受ける

 結局「B社」「Bチェーン」の株は両方とも「B社」が買い取るということでした。要するに、第三者の誰かではなく、自分たちで買い取るという判断を下したわけです。

 これこそ私が一番望んでいた展開です。少数株主が持っている株を同族会社(あるいは支配株主)であるB社が買い受けるということは、まさに「少数株主を迂回した株式譲渡」そのものだからです。

 これですべてお膳立てが整い、本当の目的である「株価はいくらになるのか」という検証が始まりました。