震災をきっかけに作ったキャップの意味

 うちの店の制服にはさ。上着のほかに黒いキャップがあるの。東日本大震災をきっかけに作った帽子でね。あのときは、しばらく売り上げががくんと落ちたから、みんなで上を向いて「クレイジー」に頑張ろうぜって思いを込めたイラストを付けたキャップを作ったんだ。チームで力強く営業するのがうちの強みだから、キャップは心を強く通わせる象徴みたいなものだったんだよね。

東日本大震災を機に作ったキャップを手にする宇野氏。キャップは「チーム楽」が一致団結する象徴でもある(写真:大塚千春)

 だけど、震災から7年もたつと、現場の子たちもそのイラストの意味を知らなかったり忘れちゃったりしていてさ。未曽有の事態で一致団結するために作ったキャップなのに、だらしなくかぶったりするスタッフが増えてしまったんだよね。
 だらしなく仕事着を着た職人のいる寿司屋なんて行きたくないのと一緒でさ。居酒屋だってシミひとつない制服をピシッと着て、きっちり帽子を被ったスタッフに迎えられたら、お客さん気持ちいいでしょ。また来たいと思ってもらえるよね。オレはそう思うんだ。

(構成:大塚千春、編集:日経トップリーダー

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