それからね、先日、少し肌寒かった日に人に会う前にちょっとお腹が空いたから、コンビニに入ったの。カツサンドとかを買おうかなと思っていたんだけど、ひょいっとレジの脇を見たら、肉まんが蒸し器にぎっちり入っていてさ。それで、1つ買って同業者の人に会ったら、その人も昼食は肉まんだったんだって。食べたくなるときをきちんと計算して店頭で大展開している。さすが大企業だと思った。

コンビニ以上にできること

 秋になったらサンマを食べたい、寒くなってきたからホカホカの肉まんを食べたい――。サンマなんか買ってきて焼くだけだし、居酒屋の肉まんだったら冷凍品を工夫して面白く出せばいい。オレたちは仕込みに苦労するような凝った料理なんかじゃなくてさ。ごく基本的な食べ物を忠実に売っていくことが、繁盛に結びついていくんだって改めて思ったよね。

 でもさ、3カ月で1万2000本サンマを売るってのはものすごいことだとは思うけど、京都大学特別教授の本庶佑さんみたいにノーベル賞を取るような研究をしようっていうんじゃない。ある目標を決めて料理を売るっていうのは誰でもできることでしょ。

 それに、コンビニで思ったの。「オレだったら、もっとお客さんに店のファンになってもらえる売り方ができるのにな」って。だってさ。蒸し器の中には、少し値段の高い特製肉まんとかいうのもあってさ。気が付かなかったから普通の肉まん買っちゃったんだけど、レジで一言薦めてくれたら、オレ、そっちにしたのになぁと思ったんだよ。その、一言のお薦めがオレたちの商売の要。「あれ、薦めてくれたけどおいしかったよ」って言葉がお客さんからもらえて、他の店じゃなく自分の店を選んでくれるようになるきっかけになるんだよね。

コンビニの店員は大抵レジで精算をするだけ。でも、そこでお薦めの商品を薦めるなどお客を喜ばせる言葉があれば、コンビニも差別化できると宇野氏

 売れる売れないってのは、ほんのちょっとの姿勢の違い。しかも、今この瞬間からできるような簡単なことが、店を盛り立てていくんだよね。

 ものを売る姿勢だけじゃなくて、うちの店で最近、改めて気を引き締めようってスタッフのみんなに話したことがある。制服の着方だ。