宇野隆史社長率いる、居酒屋運営の楽コーポレーション(東京・世田谷)には、独立して自分の店を持ちたい若者が続々と集まり、巣立っていく。自分の店を構えた当初はお客が集まらず不安なときがあっても、「繁盛店にすることは決して難しくない」と宇野社長は話す。

 最近は、若い店の子とメニューの話をしても、なかなか感覚が通じないことがある。若いとどうしても新しいことをやりたくなるんだけど、お客さんの心をしっかりつかむのは新しいことじゃない、とオレは思うわけ。

 もちろん、流行の食材や料理はメニューに必要だ。サラダだったら、はやりのチョップドサラダ(全部の具材を細かく刻んだサラダ)なんかを出してもいい。でも、それが店の屋台骨になるかといったらそうじゃない。だって、流行は変わるわけでしょ。未だに昔ながらの居酒屋に若い子たちが引かれて集まるように、ずっとお客さんに愛されてきた定番メニューは絶対に強い。

 例えばさ。若い子は、ポテトサラダをはやりの「ジャーサラダ」のように蓋付きのガラス瓶に入れて作ったりする。

最近は、写真のようなガラスジャーに入れたドリンクやサラダなどが人気を呼んでいるが・・・。

 でも、オレは絶対、普通にホクホクとしたジャガイモでポテトサラダを作って上に半熟卵なんかをポン、と載せた方がお客さんにアピールすると思うわけ。ある料理研究家が、「本当においしいのはイカを蒸して裏ごしして……、なんていう手間がかかった料理じゃなくて、縁日の屋台で売っているイカ焼きだ!」って書いていて、オレも本当にそうだと思った。「あれ食べたい」と多くのお客さんに思い出してもらえるのは、新しいメニューよりも昔から店にある料理なんだよね。