OBが見せる「夢」で独立心が燃え上がる

 これまで、オレは八ヶ岳に移り住んで東京では建てられない大きな家を建てたり、バンクーバーに住んで店を始めたりしてきた。それは、うちの子たちに「5坪からスタートした商売だって店を繁盛させれば、こんなこともいずれできるんだよ」と具体的な夢を見せるためだ。八ヶ岳に住んでいた頃は、店の子たちが車を飛ばして集まってきて、夜中までみんなで熱く店のこと独立のことを語り合ったものだ。

八ヶ岳の麓にある宇野社長の別荘。今も楽コーポレーションのスタッフなどが集まって酒を酌み交わし、どうすれば店を繁盛させられるかを語り合うことも
八ヶ岳の麓にある宇野社長の別荘。今も楽コーポレーションのスタッフなどが集まって酒を酌み交わし、どうすれば店を繁盛させられるかを語り合うことも

 今でも、東京のオレの家には店の子たちやOBを呼んで飲み会をする。仲間と話をし合うことで、独立に向けた気持ちがどんどん強くなるからだ。OBは開店当時の売上表も見せてくれて、何年で次の店ができて、その次の何年で家を建てたなどという具体的なことを教えてくれる。少し前まで隣で働いていたOBの言うことは、オレが言うよりさらに説得力がある。そうやってうちの子たちは独立して、彼らがまたうちの店のスタッフを刺激して「濃い店」づくりを支えてくれる。一国一城の主を目指す飲食業にはドラマがあって、企業勤めとは別の夢がある。オレはそう思うんだよね。

(6月26日に開催された「料飲稲門会 経営セミナー」での宇野隆史社長の講演を基に加筆しました。構成:大塚千春、編集:日経トップリーダー

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  • 第2章 【接客の基本】200%の力でお客さんを笑顔にする!
  • 第3章 【人材育成の基本】誰にもある商売の素質を引き出す!
  • 第4章 【商品の基本】一番の武器は自分に身近なところにある!