居酒屋運営、楽コーポレーション(東京・世田谷)の宇野隆史社長の下には、一国一城の主になりたい若者が次々に集まる。宇野社長はゴルフを一緒にプレーした人と話すうち、ゴルフには商売の成功と共通する要素がいくつもあると気づいた。

 先日、ゴルフに行った時のことなんだけどね。最近、1人で行くから、色々な人と一緒にコースを回ることになるんだけど、この間はある大企業の執行役員だった人と回ることになってさ。すごいなと思ったのが、その人、ボールがどこに飛んで行っても、絶対に動かさないで、そこから次のショットを打つの。

 オレたちみたいな遊びのゴルフではさ。ボールが落ちた場所の芝がはげていたり、ぬかるんでいたりすると打ちにくいから、だいたいはさ、規定の範囲内でボールを動かせる「6インチプレース」なんていうルールを採用して、動かしちゃうわけ。ところが、その人はボールを動かさないでプレーして、しみじみ、「僕は今のゴルフが一番面白いんだ」と言う。なぜって、悪所に飛んだボールを打てるのは、その時だけだからと言うんだ。

「ゴルフは商売に似ている」と、楽コーポレーションの宇野隆史社長は話す

 例えば、ディポット跡(ショットの際に芝が削れたくぼみを砂で埋めた所。小さなバンカーのようになっている)に飛んだら、そこからボールを出すには普通に打ってもダメ。どのように打つか、どこまで出そうと考えるか、その度に戦略を練らなきゃいけない。それが楽しいって言う。

 考えてみたら、そういうショットってうまくいったら、普通に飛ばすより絶対うれしいよね。その人は引退後にゴルフをもう一度本格的にやってみようと思ったそうなんだけど、そんな風にプレーをして、60歳台になってからハンディがぐっと縮まったらしい。

 

 話を聞いていて、ゴルフというのは商売と同じだなと思った。