再び窮地に立ったアートは、前述のように、13年秋、スキーや登山用品に強い石井と業務提携。店舗の整理をするための融資を受けた。14年には御徒町周辺の店舗を集約し、15年には日比谷店を閉鎖した。その一方で、新宿などにある石井の一部店舗内にアート専用のコーナーを設けて販売拡大も目指した。

ここ数年、売り上げが減り続けた
アート・スポーツの業績
ここ数年、売り上げが減り続けた<br />アート・スポーツの業績
※東京商工リサーチ調べ。2016年2月期~17年2月期は申立書による。15年の最終損益は不明

テニス、自転車は平均的な品ぞろえだった

 しかし、てこ入れ策は十分な成果を生めなかった。07年頃から始まった錦織圭選手の活躍をきっかけとしたテニスブームと、健康志向に伴う自転車ブームが一段落し、売り上げが大きく減少。直近では「ランニング、アウトドア関連は昨年並みを維持していたが、テニス、自転車関連は80%以下だった」(石井関係者)という。ランニング、アウトドアは商品に特色があったが、テニス、自転車は平均的な品ぞろえだったからだ。

 インターネット販売などの競合も多い今、平均レベルの店では客離れが深刻で、次のブーム到来まで持ちこたえられない。

 アートは12年以降売り上げを減らし続け、ついには、17年4月末の資金繰りが難しくなった。

次ページ 「広い店にお客は集まる」