ところが「2、3カ月すると、遠藤商事から手伝いに来ていた社員は、別の新規出店を支援するためにいなくなってしまう」(同)。遠藤商事の社員がいなくなると、店の人手が足りなくなり、売り上げが低迷するFC店もあったようだ。店が増えるほど、数人のSVだけでは対応しきれず、各店舗への支援はますます不安定になった。

「店の撤退をとにかく嫌った」

 しかし、遠藤社長は100店達成の夢を追うため、「いったん出した店の撤退をとにかく嫌った」(あるFC店オーナー)という。利益が出なくなりFC店オーナーが撤退を申し出ると、遠藤社長は「応援するから続けましょう」と社員による支援を強化し、それでも不振が続く場合は、遠藤商事がFC店の運営に直接乗り出した。

急成長しても利益は低迷
●遠藤商事・ホールディングスの業績
※東京商工リサーチ調べ。2014年9月期~16年9月期は申立書による

 「中には信用に乏しいFC店オーナーの代わりに遠藤商事が直接、物件の賃貸契約をするケースまであった」(信用調査会社)という。しかし、そこまでしても、全ての店で収益を改善することはできず、遠藤商事の経営はさらに厳しくなっていった。

 それでも、遠藤社長は出店のアクセルを踏み続けた。14年頃からは、スペイン料理店、カレー店、ラーメン店などを相次いで開き、ピザ以外の売り上げ確保を狙った。15年からは、インドネシア、中国など海外にも進出した。

 しかし、金融機関からの借り入れに頼った強気の出店で運転資金を確保する手法は長続きしない。負債が増えて金融機関の姿勢が変わると、一気に資金繰りは苦しくなった。海外出店も順調なところばかりではなく「契約でもめて閉めた店もいくつかあった」(遠藤商事の関係者)。

 遠藤商事は、この頃から自転車操業に追い込まれていたようだ。比較的最近加盟したFC店オーナーの話がそれを裏付ける。

 このFC店オーナーが保証金と加盟金を支払うとすぐ、店舗物件が決まる前に遠藤商事から電話があり「窯はイタリアから運ぶので発注を急ぐ必要がある。代金500万円と搬送料50万円程度をまず払ってほしい」と告げられた。