大手広告代理店からイベントの企画制作、運営を受注していた。また、2005年の「愛・地球博」では日本館を手掛けるなど、実績があった――。しかし、受注が減り始めた時、すでに対応は遅れていた。

 企業が破綻する時には、定石がある。今回は定石の1つである「危機対応が後手に回る」について、実際の例をもとに考えてみる。

写真はイメージ(写真:PIXTA)

 万博や展示会など、華やかなイメージが強い各種イベント。しかし、その開催規模や回数は景気の波に左右されやすい。

 こうしたイベントの企画制作、運営を手掛けるキッズコーポレーション(東京・港)が2015年12月3日、東京地方裁判所に破産を申請。同日、破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は約14億3700万円だった。

 「以前から、経営が厳しいという情報はつかんでいたので、直近では取引をしていなかった」とある債権者は話す。

大手広告会社からも受注

 イベントの受注方式は、大きく2つある。1つは広告代理店が主催者から仕事を受注し、企画制作や運営などを協力会社に任せる形。もう1つは、イベント運営会社が直接主催者から受注する形だ。

 キッズコーポレーションは、イベントの主催者から直接受注するより、広告代理店経由のほうが多かった。広告代理店経由の受注は、全体の約8割だったようだ。取引先の中には大手広告代理店もあり、一定の信頼があった。