国内屈指の機械保有数を誇った部品メーカー、テラマチ(愛媛県西条市)。一貫生産で培った技術力で、「はやぶさ2」の搭載装置の開発にもかかわっていた同社が、2016年に経営破綻した。

 こうするほかなかったのか――。破綻から2年。3代目社長、寺町昌則氏が胸中を語った。 (破綻の経緯についてはこちら「『はやぶさ2』開発にかかわるも中国事業で破綻」)

「あの頃は頭の中がもうろうとし、会社はどこまで落ちていくんだろうと不安でならなかった」(写真/PIXTA、写真はイメージです)

 生産機械を800台も抱え、一貫生産しているといえば聞こえはいいですが、経営の実態は自慢できるものではありませんでした。祖父の時代から、多額の借金を重ねていたからです。1990年代や2000年代には何度も赤字に転落。技術力だけでは経営できないと強く痛感しています。

 テラマチは1933年に祖父が創業しました。当初は大阪で部品製造を営んでいましたが、戦火を逃れ愛媛に移ります。愛媛は住友グループ発祥の地で、町工場が集積する企業城下町。けれど、よそ者の祖父には冷たく、熱処理などを引き受けてくれる会社を探すのも一苦労だったそうです。

 そこで祖父は自前主義を掲げて、利益を積極的に設備投資に振り向けました。これが結果的に、一貫生産体制につながります。「テラマチに頼めば素材加工から組み立てまでしてくれる。一貫生産だからコスト競争力もある」と、お客様から重宝がられました。

 ただ、その分借り入れもかさんだ。職人肌の祖父は、新しいものを開発することに喜びを見いだすタイプ。利益が出たら最新設備をいくつも購入する。新しい機械によって技術を磨き、付加価値の高い仕事を取っていったのは事実ですが、財務は無頓着でした。