掃除に入る前にロビーで挨拶

 毎朝、客室清掃スタッフは掃除に入る前にロビーに並んで「ご宿泊ありがとうございました。これから清掃に入らせていただきます」と挨拶をする。

 始めたきっかけは、東北・上越新幹線の「新幹線お掃除の天使たち」。彼らは、東北・上越新幹線の清掃に入る前にホームに整列し、挨拶をしてから清掃に入る。乗客の前に出て一礼することで清掃スタッフとしての自覚が高まり、また一緒に礼をする仲間へのチームワークの意識が高まったといわれる。

 東横インでもこれに習った。清掃前の挨拶を導入したばかりの頃、スタッフの多くは「恥ずかしい」「やりたくない」と言っていたという。

 それでも続けていくうち、次第にビシッとお辞儀がそろい、さらには大きな声が出るようになってきた。そうした姿を見て、フロントスタッフも明るく元気に挨拶をするといった相乗効果も生まれている。

 西田氏はかつて、このように語っている。

「昔は要所要所に商人宿が、明治になってからは駅前旅館があった。それが近代的になったのが今のビジネスホテルだと思う。知らない場所からその地域へ仕事に来た人に、ほのぼのとした気持ちを与えてあげて、なおかつ隅々まで掃除が行き届いて清潔な客室を提供する。ビジネスホテルに必要なのは、それだけだ」

(この記事は、日経BP社『なぜか「クセになる」ホテル 東横インの秘密』を基に再構成しました)

・全5万室が同じ間取り
・毎朝、無料のおにぎりを提供
・ゴールデンウイークもお盆も値上げなし
・支配人の97・5%が女性
・「ガンダム風」と言われる制服 などなど
外観からロビー、客室、スタッフ、宿泊システムまで隅々まで考え抜かれた工夫がお客を呼ぶ!

ビジネスパーソンに人気のホテルの舞台裏には、顧客満足向上、収益力向上、生産性・モチベーション向上のヒントが満載。本書では、そんな東横インの様々な工夫、取り組みを徹底解説しています。