2号店では男性を支配人に起用したが、1号店と2号店の稼働率の差は広がるばかり。西田氏がホテルに足を運ぶとすぐに違いが分かった。1号店は明るく清潔だが、2号店はタバコ臭く、暗く、汚かった。すぐに支配人を女性に交代したら、みるみる客室稼働率が上昇した。

 ロビーやフロントは当然ながら、それこそトイレの窓の桟まできれいにしてあると、自然と宿泊客が来てくれる。何とか集客する方法はないかと思案の末、「清潔でちりやほこりが一つもないことが、ビジネスホテルの何よりのサービスである」と行き着いた。

 だから清潔さの維持には余念がない。最近は、清掃後の客室チェックにタブレット端末のカメラ機能を利用。清掃後の客室を見回り、汚れが残ったままの部分や、特に注意して清掃してほしい箇所をカメラで撮影し、朝礼で客室清掃スタッフに見せている。これなら口頭では伝えにくい内容も一目瞭然だ。

給料を払ってくれる人の言うことを聞く

 清潔を第一に考えているから、客室の清掃を手掛けるスタッフを外注ではなく、直接雇用している。

 これも創業者である西田氏のポリシー。「人は給料を払ってくれる人の言うことしか聞かない。外注だと、うちが直接給料を支払うわけではないから、支配人が一生懸命に注意したところで効果は薄い。『そこまでやらなくてもいいか』となってしまいがち。それではホテルをピカピカにできない」と考えた。

 客室の清掃は、決して楽な仕事ではないかもしれない。それでもスタッフみんなが「自分たちのホテル」という気持ちになってくる。自分の家、部屋のようにいつもきれいに磨き上げておきたいと思う。それが高い客室稼働率につながっている。

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