部屋のグレードも我が家の自分の部屋と同程度。コストや人手がかかる宴会場やレストラン部門、大浴場は設けない。宿泊客に気持ちよく泊まってもらう部分にお金を使う。

 不要なサービスはできるだけ省き、無駄なことは改善して、その分を宿泊客へのサービスに還元する。それが東横インの基本スタイルだ。

「コンビニの袋を堂々と持って入れる」

 人間はひとたび成功すると、もう一つ上のランクを目指したくなるもの。ホテルの例で言えば、シティーホテルや高級ホテルを意識し、ロビーの家具を豪華にしたり、シャンデリアをつけたりするなどだ。

 西田氏もかつてレストラン付きのシティーホテルをつくったことがあった。だが、うまくいかず、「もう二度とやらない」と心に誓った。そして、宿泊客が東横インを選ぶ理由の一つに「全国どこでも同じつくりなのがいい」という声が聞こえ始めたとき、均一性を強く意識し出したという。

 東横インはあくまで日常型ホテルにこだわり続けている。それが、宿泊客からの「コンビニの袋を隠さずに堂々と持って入れる」「気取らなくていい」という“評価”につながり、高いリピーター率を保っている理由だろう。

(この記事は、日経BP社『なぜか「クセになる」ホテル 東横インの秘密』を基に再構成しました)

・全5万室が同じ間取り
・毎朝、無料のおにぎりを提供
・ゴールデンウイークもお盆も値上げなし
・支配人の97・5%が女性
・「ガンダム風」と言われる制服 などなど
外観からロビー、客室、スタッフ、宿泊システムまで隅々まで考え抜かれた工夫がお客を呼ぶ!

ビジネスパーソンに人気のホテルの舞台裏には、顧客満足向上、収益力向上、生産性・モチベーション向上のヒントが満載。本書では、そんな東横インの様々な工夫、取り組みを徹底解説しています。