東横インでは宿泊客10人中8人が欲しいと思うアメニティー(洗面用品)や備品だけを客室に用意する。10人泊まって2人しか必要としないものを置くと、場所を取るし、コストも割高になるからだ。

 これを常に意識し、時代によって客室に常備するものを変えている。例えば、かつてはヘアリキッドを各部屋に置いていたが、今はない。クシやカミソリ、寝間着用のナイトガウンは、フロント脇に用意。必要な人にだけ持っていってもらう。

 ズボンプレッサーも、昔は全客室に設置していたが、利用者が減ったため今はフロアに1台だけを用意している。

あえてゴージャスにしない

 東横インは「日常型ホテル」を展開している。

 創業者の西田氏いわく、日常型ホテルとは「本当は自分の家で眠りたいが、帰れないので仕方なく泊まるホテル」のこと。

 高級温泉旅館、リゾートホテル、シティーホテルは泊まること自体がレジャー。これらは「非日常型ホテル」だ。

 日常型ホテルの宿泊客は「清潔、安心、安く泊まれる」ことが大切で、非日常的なサービスや空間は求めていない。

 この3つの要素が高いレベルで維持されていれば、自然と宿泊客は集まり、常連になってくれる。実際、東横インのリピーター率は7割に上る。

 ホテルの中でおいしい食事を味わったり、きらびやかなロビーや豪華な客室を楽しんだりする非日常型ホテルとは異なり、宿泊のみを提供する。

電子レンジやコインランドリーを備えたロビー