全国どこに泊まっても同じタイプの部屋というのは、全国に自分の部屋があるようなもの。東横インが目指すのは「第二の我が家」だ。

 札幌の店舗だろうが那覇の店舗だろうが、どこに行ってもドアを開けて2、3歩でユニットバスの扉があって、また2、3歩進むと机の角があって、さらに2、3歩行けばベッドがある。

 ただ部屋はすべて同じ向きではなく、入って右側にユニットバスがあるか、左側にユニットバスがあるかなどの違いはある。支配人によっては常連客に合わせ、好みの向きの部屋に案内する。

 全店に同一規格の客室を供給することは、客室の大量生産が可能になり、コストが抑えられるというメリットもある。これが値ごろ感のある客室料金につながっているというわけだ。

特別なものはないが、不満もない

 ホテル・旅館経営のビジネススクール、宿屋大学の近藤寛和代表はこう指摘する。

ベッドの下に、スーツケースなど大きな荷物を収納できるスペースがある

「東横インの特徴は安心感。日本全国どこにでもある上、どこに行っても同じレイアウト。どこに何があるかが分かるし、同じサービスが受けられる。これは海外の東横インもしかり。セブンイレブンと共通するような安心感がある。これが出張の宿泊客に選ばれるポイントだろう。特別なものはないが、不満も全くない」

 東横インの客室は、合理性に基づくつくりで、無駄がない。例えば、ベッドの下にスペースがあり、スーツケースや大きな荷物をしまうなど有効活用できる。

 書きものやパソコンなど客室の机で広々と作業ができるように、テレビは壁掛け(古い店舗などを除く)。客室専用誌「たのやく」も壁に取り付けた透明のケースに収納されている。これも机の利用スペースを少しでも広くするためだ。