良し悪しは語る内容だけでは決まらない

 村尾氏は、「服装」「スライド(プレゼン資料)」、そして少しマニアックな観点である「プレゼンメンバー交代時の受け渡し」の3項目に注目して2社を評価した。

1.「見た目」によって学生のイメージが決まる

 服装も、企業のブランディングの大事な要素の一つ。コーポレートカラーを取り入れて統一感を持たせるのがベストだが、制服の会社であれば制服を着用するなど、普段の仕事が見えるほうがいい。

 普段からスーツを着て仕事をしている電巧社は、黒スーツに白インナー、赤いネクタイや小物でビシっとキメていた。これに対しては、「普段のスーツやジャケットに、赤をワンポイントで加えたのが良かった」と村尾氏も好印象だったよう。

 一方で、セイフルは、採用のために新調した緑のポロシャツでそろえていた。

 村尾氏は「技術系の従業員など、普段スーツを着ていない人がこの場だけスーツを着ると、着慣れていない感じが出てしまったり、サイズが合ってなかったりということが多々起こるんです。その点、ポロシャツを作ったのは良い作戦だったと思います。ただ、下がスラックスと黒の革靴だったので、ベージュのチノパンとカジュアルなスニーカーにしたほうが、学生にとってより親しみやすさが出たかもしれません」と指摘した。

セイフルは採用のために新調した緑のポロシャツで登場。背中にはCHALLENGEの文字。「挑戦しながら会社をより良く変えていきたい」という思いが込められているという

 両社に共通して残念だったのが、どちらも服装の説明をしなかったこと。

「電巧社は、赤は企業カラーであり、インナーを白にしたのはホワイト企業を表しているというアピールがあっても良かった。セイフルもせっかく新調したのだから、背中のCHALLENGEをもう少し強調して説明すればよかったと思います」(村尾氏)。とはいえ、服装に関しては、「最低限のコストで印象的にまとめていたのでグッド」と評価し、引き分けの結果となった。

2.スライドは数字や文字を大きく見せる

 次の評価項目であるスライドは、「どちらも上手で、ポテンシャルを最大限に発揮できていた」と村尾氏は言う。

 ただ、初めてスライドを作成したセイフルには残念な点も。「スライドの鉄則は、文字や数字をできるだけ大きく見せること。数字をグラフで細かく見せても伝わらないんです。セイフルさんは、これができているスライドとできていないスライドがあり、残念でした」と経験値の少ないセイフルのマイナスポイントを指摘した。

 スライドについては、経験値の差で電巧社に軍配が上がった。

 また、スライドのポイントとして、村尾氏は「写真をたくさん使うといい」とアドバイス。さらに、写真には必ず人物が映っていることが大事だという。「建物の外観写真だけだったり、バス会社がバスの写真を使ったりするだけというスライドが本当に多いんですよ。

 でも、結局、仕事は人がすることなので、人が見えないことには、何も伝わりません。例えば、誰もいない食堂ではなく、皆が笑顔でご飯を食べている食堂の風景を見せたほうが、会社の雰囲気はよく伝わります」(村尾氏)。