誰も気付かないサービスを認知度向上させるには?

 では、ユニークなサービスをどのように「気付かせる」ことができるのでしょうか? 原状回復費.comを運営するスリーエー・コーポレーション(東京・千代田)は、こんなマーケティングをしました。

STEP1:過度な自信を改める

 まず、以下のマインドセットをしました。

・そもそも常識的に潜在顧客はこのサービスにたどり着かないという考え方を持つ
・この業界のことは誰も知らない。初めての人ばかりだ、という考えを持つ
・自分中心の言葉を使うのではなく、中学生でも分かる言葉(内容)にする、という考えを持つ
・対象顧客はどのような悩みを抱いているか。そこに焦点を当てるという考えを持つ

STEP2:潜在顧客の「3P」を書き出す

3Pとは「Problem(問題点)」「Pain(痛み)」「Perplexing(面倒)」です。これを書き出します。

■Problem:問題点
 スリーエー・コーポレーションでは、サービスを考えるに至った不動産業界の問題点を10個以上リストアップしました。例えば、「借り主側が不動産のプロではないので、特殊な用語・法令が分からない」などです。

■Pain:痛み
 痛みとは、「コスト」「時間」などです。例えば、「原状回復費用で、ビル側に預けていた保証金の大半が戻ってこなくなることがある」などです。

■Perplexing:面倒
 問題や痛みまで行かなくても、「面倒くさい」という部分も潜在顧客が取り去りたい悩みです。例えば「ビルオーナーや管理会社とトラブルになるのは避けたい」などです。

STEP3:脚本づくり

 以上の3Pに対する、4つ目の「P」、「Prescription(処方箋)」を考えます。リストアップされた3Pに対して、徹底的に処方箋を書きます。

 例えば、「ビルオーナーや管理会社とトラブルになるのは避けたい」という潜在顧客の声には、「借り主が負担する必要のない部分を明らかにできる権利をあなたは持っているのです。全くトラブルになることはありません」と、伝えれば安心してもらえるでしょう。このようにすべての3Pに対して、解を示し、それをウェブサイトや印刷物、動画などで訴えるのです。
 サービスの概要をひたすら連呼しても気付かれません。解決法をしっかりみせることで、こちらサイドの世界を潜在顧客に理解してもらうのです。

 認知度向上でやるべきことは、「(買う気が満々の)熱い顧客ばかり相手にしない」ということです。サービスへの関心が低く、少しも暖まっていない顧客をどう目覚めさせるか、なのです。あなたのサービスを諦めないでください。認知度が低いのは営業のせいでも、広告のせいではありません。あなたの考え方のせいなのですから。

認知度向上で大事な視点は、暖まっていない顧客を目覚めさせること
認知度向上で大事な視点は、暖まっていない顧客を目覚めさせること

 (編集:日経トップリーダー

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