経営者とマーケティング活動の関わりの誤解

 先ほどもお話ししたように、全ての企業に機会損失は存在します。

 大上段の経営者マターの部分での機会損失もあれば、WEBサイトなどの戦術部分での機会損失もあります。

 弊社が顧客企業のブランディングやマーケティングを担当するときに、その会社の経営陣がプロジェクトチームに入らないことは、今まで数多くの企業と携わってきた中でゼロです。非上場企業の場合だけでなく、東証一部上場企業でもです。

 これは、アクションプランを経営陣が担う、ということではなく、マーケティングの実行に関するKPIを常時確認し、PDCAも理解する輪の中にいる、という役目です。つまり部下に任せっぱなしではなく、「刈り取る部分を経営トップこそ理解する」ということです。

 経営陣が先頭を切って機会損失削除を推し進めるのか、それともノルマや数値の積み上げ目標を達成させる旧来の追い込み型手法のままか、結果は歴然としています。

 例えばバケツの中に、上からどれだけ水を入れていても、下からどんどん水漏れするのであれば全体的には大きくなりませんね。

 機会損失を細かく見つけていくのは、非常に根気がいる行動であり、かつテクニック(もちろんより精度を上げるツールも)が必要です。

 多くの場合、面倒くさがって、細かい水漏れ箇所を探そうともしません。

 繰り返すようですが、ブランディングはその会社・商品・サービスに「気付かれる」を作ることですから、全社的な経営陣も巻き込んだ施策になるのは当然です。

 ところが、マーケティング段階になると、経営陣が関わったほうが理解の醸成も早く、スピーディーな投資・行動判断ができると頭では思っていても、なぜか「担当者の役目」となってしまうことが多いのです。

 マーケティングの戦術実行は担当者の役目だと思いますが、全体の戦略に関しては経営陣が関与するほうがはるかに効果的なのです。

 つまり、経営陣が先頭を切って機会損失解消のKPIを見ていく必要があるということです。

 さらに、あまり調子のよくない市場で戦っている会社ですと、社員のモチベーションの低下は、パフォーマンスに表れます。

 とても効果的だと考えられるマーケティング施策を採用しても、社員のモチベーションが低ければ効果は出ません。効果が出なければさらにモチベーションは沈んでいく、という負の力が働きます。

 マーケティング活動は、経営に計数効果を生むだけでなく、社内の求心力も生み出す役目があるのです。

 だからこそ景気が悪いときでも効果の出るマーケティングは、経営者が先頭を切って進めていくことが必須なのです。

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