「よなよなエール」「インドの青鬼」――。ユニークなクラフトビールを次々と生み出すヤッホーブルーイング。ビール好きの気持ちをつかむ製品が生まれる背景には、社員が誰とでも分け隔てなく意見を交換できるフラットな組織がある。地ビールブームが去った後の売り上げ低迷で落ち込んだ社員たちの気持ちをどう切り替え、前向きなチームに育てたのか。井手直行社長がそのチームづくりの秘密を自ら語る。

 ヤッホーブルーイングは「ビールに味を!人生に幸せを!」をモットーに、長野県でクラフトビールを製造販売している会社です。1996年、星野リゾート代表の星野佳路が軽井沢で設立しました。私は97年からの創業メンバーとして営業を担当し、2008年からは私が社長を務めています。

 クラフトビールとは、いわゆる地ビール。全国各地の小規模な醸造所が造るこだわりのビールのことです。醸造方法やフレーバーの加え方などで、さまざまな味わいが生まれます。ヤッホーでも、華やかな香りの「よなよなエール」、苦味の強烈な「インドの青鬼」、すっきりした飲み口で女性向けの「水曜日のネコ」など個性的な製品を用意しています。

 「2015年日経優秀製品・サービス賞」では、ローソンと共同で開発した「僕ビール、君ビール。」が「優秀賞 日経MJ賞」に選ばれ、2月初めの表彰式にはビール缶の仮装で参加してきました。懇親会では、参加者が大手企業の偉い方ばかりで、仮装の私をみんなが遠巻きにしていました。相手をしてくれたのは、デザイン家電のバルミューダ寺尾玄社長だけでしたね(笑)。

製品を強烈にアピールするために、表彰式では仮装をする

 でも、こんな仮装の写真をFacebookのヤッホー公式アカウントで公開すると、みんなが面白がってシェアしてくれます。ヤッホーのファンが1人でも増えればと、私はこうした表彰式の場には社員が考えた衣装で参加しています。

 ビール缶の衣装はその賞に関係のあるスタッフが有志で集まり、腕を通す穴をテープで補強するなど、いつも一生懸命改良してくれています。「よなよなエール」の「Y」は両手を上げ、「N」は左手を下げて右手を上げるなんていう振り付けまで、みんなで面白がりながら考えています。