経営計画書と言うと、売り上げ目標や利益目標、予算など、数字の羅列をイメージする方もいらっしゃるかもしれません。
経営コンサルタントの一倉定先生は、「数字目標は仏であって魂ではない。仏を作っても魂を入れないのでは生命を持たない。経営方針が経営計画の魂なのである」(『一倉定の社長学 経営計画・資金運用』日本経営合理化協会出版局刊)と言っておられます。
数字のみの経営計画書は仏作って魂入れず
古田土会計では、毎年1月11日に自社の経営計画発表会を行っています。今年は、お客様と社員で合計780人が参加しました。毎回、感動と感謝に満ちた発表会になっています。
経営方針の中で特に重点的に発表したのは、社員の処遇と未来像です。
- 高給与を実現する(東京の同業者の10%高を目安)
- 時短をする(全社員が遅くとも夜8時までには退社する)
- 終身雇用制とする
- 定年は65歳とする(定年後は嘱託として1年契約で70歳まで、その後はパート嘱託で80歳まで勤務可能)
こうした具体的なことを、経営計画書の中で社員に約束しました。
多くの中小企業の社長は、経営計画で自分の夢や会社の夢は語りますが、社員の処遇や未来を語りません。自分中心の経営計画です。社員を幸せにしたいという思いは皆持っているのに、表現のしかたが悪いために社員に伝わりません。
私はよく、中小企業の社長にこう言います。
「社長は誰に向かって話をするのですか? 誰に協力してほしいのですか? 当然社員ですよね。それなら、なぜもっと社員が未来に夢や希望を持てる、社員が喜ぶ経営計画書を作らないのですか?社員が喜ぶ発表のしかたにしないのですか?」と。
経営計画は、社長と社員、両方の夢の実現のために作るものです。最も大切なのは、それを具体的に描く、経営方針書なのです。
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