最大市場は「エネルギー」

 SDGs(持続可能な開発目標)を達成する技術は、企業にとって大きなビジネスチャンスとなる。SDGsの達成によってもたらされる市場機会を調査した「ビジネスと持続可能な開発委員会」によると、世界で年間12兆ドル(1320兆円)の市場が生まれ、2030年までに3億8000万人の雇用を創出する可能性があると試算している。

SDGsによって1320兆円市場が創出される

 最も成長するとみられているのが「エネルギー・素材」の分野で、4.3兆ドル(473兆円)の市場創出を見込んでいる。国連によると、現在76億人の世界人口は、2030年までに86億人、2050年には98億人に達すると予想している。当然、エネルギーをはじめとする資源の供給が課題となる。

 「都市」も大きな成長市場だ。都市人口は、2050年に現在の1.6倍になると予想されている。大都市化が進めば、治安の維持やインフラの整備が課題となる。「健康・福祉」も成長分野だ。日本では、急速に進む少子高齢化への対応が待ったなしだ。人手不足を補い、健康を維持するための技術が欠かせない。

 これらの分野は、新興国にとっても遠くない将来の課題といえる。日本を社会課題解決の「ショーケース」にできれば、日本の技術を世界に羽ばたかせるチャンスとなる。

技術だけでは勝てない

 SDGsは社会課題解決のゴールを示している。うまく利用することで、自社に足りない技術を見極めたり、同じ目標を持つ人材や企業の連携を進めたりできる。卓越した技術を持つ日本企業には、ビジネスのチャンスが広がっている。

 ただし、技術だけでは勝てない。日本企業は、技術は持っているがビジネスとして成功できていないと言われてきた。社会課題を解決した未来像を想像しながら、どのような技術革新が必要かという発想がなければビジネスとして成立しない。

 SDGsに貢献する日本の技術をビジネスにつなげるにはどうすべきか。SDGsの取り組みに力を入れる外務省の岸輝雄氏と、Japan Innovation Networkの西口尚宏氏に聞いた。