通常のごみ焼却は、ごみを高温で焼却することによってCO2を排出する。新技術では、ごみを焼却する際に入れる空気の量を抑えることで、エタノールの原料となる一酸化炭素と水素のガスに分解する。

 ただしこの時点では、一酸化炭素と水素以外の不純物も混入しており、その数は400種類に上る。そこで同社は、ガスに含まれる不純物を除去する技術を開発した。ガスの成分をリアルタイムに計測し、成分によって適切な除去技術を判断する。発生したガスはフィルターや分解装置に送り込まれ、ガスの成分に合わせて除去装置の通り道を切り替える。こうして目的の成分だけを効率よく取り出す。

 取り出した一酸化炭素と水素からエタノールを作るのが特殊な微生物だ。米ベンチャーのランザテックが保有する微生物を使うことで、通常の10倍以上の速度でエタノールを生成する。この微生物にも独自の技術がある。

 ごみは成分が均一でないため、生成する一酸化炭素や水素の量が変動し、常に一定量のエタノールを生成するのが難しい。そこで、微生物の活性状態を制御する技術を開発した。微生物に物質を投入し、微生物を「元気な状態」や「仮死状態」にする。微生物の状態を制御することで、エタノールを安定的に生産できるようにした。

 2019年に10分の1スケールの実証プラントを稼働させ、2020年に本格的な商業化に乗り出す計画である。全国に1200カ所あるごみ焼却施設の設備更新のタイミングが導入のチャンスとみている。同社コーポレートR&DセンターBR事業化推進グループ主席研究員の小間聡氏は、「SDGs(持続可能な開発目標)が目標として掲げる、エネルギー、つくる責任、街づくりなどの幅広い分野に貢献できる」と話す。