年177社に改善促す
企業に改善を働きかけるエンゲージメント(対話)にも熱心だ。昨年は世界で177社を対象に合計736回実施している。
坪田:ESGを取り入れた企業分析とエンゲージメントは表裏一体の関係にある。分析結果を基にエンゲージメントや議決権行使によって改善を働きかけるのは運用の一部だ。投資している企業に価値をより高めてもらい、その結果として株価が上がることを狙っている。
ロベコにはアクティブ・オーナーシップというエンゲージメントと議決権行使の専門チームがあり、12人の担当者がいる。その担当者とロベコのファンドマネジャーとアナリストが一緒に企業に働きかけをしている。毎年、テーマを決めて、3年ぐらいかけて働きかけを続ける。テーマは、ファンドマネジャーからの要望などを基に決める。日本でスチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードが導入されたときは、それらをエンゲージメントのテーマに入れた。
ESG投資家に評価されるために企業にとって何が大切か。日本企業の課題は何か。
坪田:(ESGの取り組みを推進することに対する)経営トップのコミットが大切だ。それがないと、現場が言うだけでは企業は動かない。トップがしっかりコミットしている企業は、CSAでの評価も上がりやすい。
日本企業の課題として、人材の活用が挙げられる。生産性やダイバーシティ、従業員の満足度が、企業の競争力やイノベーションにつながる。だいぶよくなってきているようだが、まだ改善の余地がある。
記事掲載当初、本文3ページ、2段落目の冒頭で「ロベコSAM」としていましたが「ロベコ」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2018/10/11 15:00]
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