住友商事が自動車関連事業の強化に向けて積極的な投資を続けている。2020年までにカーシェアリングをベースにした新サービスを始める模様だ。

 電気自動車(EV)メーカーの米リヴィアンオートモーティブ、車載端末の開発やAI(人工知能)によるデータ分析サービスなどを手がける米アクティブスケーラー、カーシェアリング運営会社の米テューロ──。住友商事は昨年から今年にかけて、自動車関連事業を手がける海外のスタートアップ企業に次々と出資している。環境規制の強化などを受けて、EVへの移行とともに、自動運転技術やコネクテッドカー(つながるクルマ)の開発が加速する中、自動車関連事業を強化する。

 自動車リース会社の住友三井オートサービス(SMAS)やタイヤの小売り・卸売りを手がける米TBCなど、グループが持つ既存の資産に加えて、スタートアップ企業の技術を生かし、次世代モビリティ(移動手段)サービスを開発する。

 2018年度から2020年度までの3年間で、次世代モビリティ関連事業などに1800億円を投資する。

タイヤの販売網を活用

 住友商事が米国法人を通じて出資するリヴィアンオートモーティブは、カーシェアリング用EVの開発を手がけるスタートアップ企業だ。2020年にピックアップトラックとSUV(多目的スポーツ車)のEVを発売する。特徴は、「スケートボード」と呼ぶシャシーである。その名の通り、スケートボードのような形状をしたプラットフォームに蓄電池やサスペンションなどを搭載。あらゆる車種で共用する。

 これとともに住友商事が目を付けているのが、リヴィアンが開発中の蓄電池である。130kWhと大容量であるのに加えて、長寿命な点が売りだ。運転の仕方に応じて蓄電池の充放電を最適に制御することで長持ちさせられるという。

米リヴィアンオートモーティブが開発中のEV用シャシー(右)。その形状から「スケートボード」と呼ばれる。同社は蓄電池の管理ノウハウに強みを持つ(左)

 住友商事は、リヴィアンのEVを使い、米国内でカーシェアリングサービスを展開する考えである。クルマの貸し出し拠点となるのが、仏ミシュラングループと共同運営するTBCのタイヤ販売店だ。北米を中心に約3450店舗を展開し、年間1500万人が訪れる。

 蓄電池にためた電力を電力会社に販売することも視野に入れる。EVの稼働率は低く、走っていない時間の方が多いとされる。太陽光発電や風力発電といった天候に左右される再生可能エネルギーの出力変動を吸収するのに、EVの蓄電池を活用できるとみる。