多様な働き方を認める

 昨年から始めたSGイメージスコアランキングでは、トヨタ自動車、パナソニック、サントリーが1~3位に入り、上位3社は同じ顔ぶれだった。注目すべきは、10位に入った日本マクドナルドだろう。昨年の27位から躍進を遂げた。

 けん引役と考えられるのが、女性から高齢者まで誰もが働きやすい職場作りに力を入れている点である。同社が運営するハンバーガー店は、アルバイトやパートの店員が勤務時間や曜日を自由に選べる。週ごとに自分の予定に合わせてシフトを提出、週2時間からでも働ける。

 育児や家事との両立が壁になり、働きたくても働けない女性が全国に300万人以上いる。同社が主婦にアンケートをしたところ、働けない理由として、「希望する終業(始業)時間の募集が少ない」「希望する1日の就業時間の募集が少ない」といった時間に関する声が多く挙がった。

 マクドナルドは今後も成長を続けていくために、事業の基盤となる店員の採用を増やす方針で、主婦をはじめとする潜在的な労働力を引き出すことが重要になっている。

 同社の店舗では柔軟な働き方ができることをもっと多くの人に知ってもらえば、働くのをためらっている人の背中を押せる可能性がある。そこで、昨年から「クルー体験会」を始めた。ハンバーガーやドリンクの製造、模擬接客などを体験できる。

 「どういう人達と一緒に働くのか分からない」といった心理的な不安から働くことに踏み出せない人もいる。現場を実際に見てもらい、そうした不安を取り除いてもらおうというのもクルー体験会の狙いだ。

日本マクドナルドが採用強化のために始めた「クルー体験会」。ハンバーガーやドリンクの製造などを実際に体験してもらう

 今年2~5月にかけて実施した「ハッピーりぼーん」プロジェクトも、マクドナルドのSGイメージを引き上げた要因とみられる。環境省と共同で、「ハッピーセット」のおもちゃで遊ばなくなったものを回収し、店舗で使用するトレーにリサイクルする。このプロジェクトを通じて、子供のものを大切にする心や環境意識を醸成する。

 BtoCの事業を手掛ける企業は、親子を巻き込むことが評価アップに大きく寄与しそうだ。

環境ブランド調査の概要

 日経ESG経営フォーラムが、主要560の企業ブランドを対象に、各企業の環境に関する活動が一般の消費者やビジネスパーソンにどう伝わっているかについて、インターネットを利用してアンケート調査し、結果を集計・分析した。調査時期は2018年3月14日~4月22日で、全国の一般消費者およびビジネスパーソン2万1000人から回答を得た。調査は2000年から毎年実施しており、今回が19回目となる。企業ブランド名は2018年2月時点のもの。

<環境ブランド指数ランキングについて>
 ランキングに使う「環境ブランド指数」は、企業のブランド形成に影響する4つの指標を総合したもので、偏差値(平均50)で表している。4つの指標とは、回答者が当該企業の環境情報に触れた度合いである「環境情報接触度」、環境報告書や各種メディアなどの環境情報の入手先を集計した「環境コミュニケーション指標」、環境面で当てはまると思われるイメージについて集計した「環境イメージ指標」、環境活動への評価を集計した「環境評価指標」である。

<SGイメージランキングについて>
 SGイメージは2017年に調査を開始した。今回、選択肢の一部を変更し、回答者に対して560企業ブランドの「社会」「ガバナンス」に関する取り組みのプラスイメージ(12項目)とマイナスイメージ(7項目)を尋ね、SGイメージスコアを集計した。

本記事は、「日経ESG」2018年8月号(7月8日発行)に掲載した内容を再編集したものです。