事業との一体化で印象強まる

 コスモ石油は、環境ブランド調査で3年ぶりにトップテンに復帰した。項目別に細かく見ると、「地球温暖化防止に努めている」で3位、「蓄エネ、創エネを進めている」でも16位と評価された。

 「テレビCMで環境情報を入手した」と答えた人の数は、コスモ石油が最も多かった。テレビCMでは以前からグループ傘下の風力発電所の様子を伝えてきた。今回、温暖化対策に積極的な企業として支持を集めた背景には、風車を映し出すCMと、中期経営計画の報道の相乗効果で回答者の印象が強まったと考えられる。

 今年3月に発表した第6次中期経営計画で、風力発電など再生可能エネルギー事業の強化を打ち出した。今後5年で930億円を洋上風力などの再エネ事業に投じる。発表後は、経済紙などがこの方針を報じた。

 コスモ石油の評価は、消費者と共に継続している自然保護活動や地域の清掃活動にも下支えされている。活動を支えるのは、2002年から発行するコスモ・ザ・カード「エコ」(エコカード)を持つ6万3000人の会員だ。

 会員から毎年集める500円の寄付と、サービスステーションの売り上げなどコスモエネルギーグループ企業の拠出金を合わせた「エコカード基金」を運営している。昨年度はNPOが展開する海外6件、国内8件の温暖化防止につながる森林保護活動などの資金に約6300万円を投じた。

 お金を出して終わりではない。国内での活動には、NPOとともにエコカード会員が参加できる。

 他に全国FM放送協議会の38局と協力して、全国の海などの清掃を17年続けている。650カ所で開催し、ラジオ視聴者など25万人が参加した。参加者には自然保護活動とコスモ石油のブランドが結び付いているだろう。

コスモグループは、「エコカード基金」を活用し、国内外の環境保全事業に資金を提供している

歯磨きを通じて親の共感呼ぶ

 ライオンは、今回の調査で伸びが最も大きかった。

 要因と考えられるのが、歯磨きなどの習慣化を子供達に啓発する「全国小学生歯みがき大会」だ。1932年から開催し、75回目となる今年の大会には日本と海外の約3800校、約21万人の小学生が参加。昨年の約16万人から急増した。昨年新たに始めた取り組みが教員らに注目された。

 大会では、健康な歯や口内環境を保つ方法や続ける大切さを子供たちに伝える。これに、口内の健康は身体の健康につながり、夢や目標の達成にも大事なことと気づいてもらう工夫を加えた。「歯と自分をみがこう」と呼びかけ「未来宣言シール」を配布し、夢や目標を書き込んでもらう。子供たちは自宅に持ち帰ったシールを洗面台の鏡に張り、夢の実現や目標の達成に近づく一歩として歯を磨く。シールを目にした保護者にも、子供の健康に気を配るライオンの姿勢が伝わる。

ライオンが長年続けている「全国小学生歯みがき大会」

 昨年発売した小児用歯ブラシの「クリニカkid’sハブラシ」も親の支持を集めたようだ。ブラシの軸に、曲がりやすく折れない素材を採用した。子供が口に歯ブラシを入れたまま転倒しても口中で曲がるので、口への負担を抑えられる。

 発売に合わせ、子供の歯の「仕上げ磨き」に奮闘する母親の姿を描いた動画をインターネットで公開すると子を持つ親たちが共感。公開後の2週間で50万回再生された。歯ブラシの安全性が高まれば、子供の歯磨きで親の負担を減らせる。「安全性を訴えるだけでなく、保護者への共感や応援の気持ちを伝えたかった」とCSV推進部長の小笠原俊史氏は話す。