「サステナビリティの活動は定量的な成果が出るまでに時間がかかるため継続するのが容易でなく、社員の理解を得るのも容易ではない。そうした中でトップのコミットメントがあるのは大きい」(福本執行役員)

 今年2月、水資源保全の国際的なイニシアティブである「The CEO Water Mandate」に新浪剛史社長が署名した。社員向けのウェブサイトでは、定期的に発信している佐治信忠会長と新浪社長のメッセージで水の話題を頻繁に取り上げている。

 環境・CSR部門の名称を自社の活動の段階に応じて変えている点は、他社にない特徴といえるだろう。2010年には、環境の取り組みで企業価値を高めるためにエコ戦略部とした。その後、サステナビリティ戦略部に改め、今年4月にはコーポレートコミュニケーション本部を「コーポレートサステナビリティ推進本部」へ改称し、同本部内にあったサステナビリティ戦略部を「サステナビリティ推進部」に改組した。

 この名称には、「コーポレート(全社)」で取り組むという意図が込められている。「戦略」を策定する段階から、「推進(実行)」していく段階に入るという意味合いを持たせたという。「名は体を表す」ということわざのごとく、組織名称がサントリーの社員の意識や行動に変化をもたらしている面もありそうだ。

活動強化と情報開示を両輪で

 指数90台後半で突出している上位2社に対して、3~5位までは3社が80台で団子状態にある。その中で頭一つ抜け出したのがイオンだ。同社は昨年の7位から順位を上げ、昨年3位のパナソニックを抑えた。

 イオンの評価には、昨年から今年にかけて相次いでESGに関する大型の発表をした影響があるとみられる。昨年4月に、農産物や畜産物、パーム油などについて持続可能な調達方針と2020年の目標を策定したのに続き、10月には食品廃棄物を2025年までに2015年度比で半減させる目標を策定。今年3月には、グループの店舗やオフィスから排出するCO2を2050年に実質ゼロにする目標などを盛り込んだ「イオン 脱炭素ビジョン2050」を発表した。

 社会が要請するテーマに中長期で取り組み、それをタイムリーに発信する。こうした流れができるようになった背景には、役員の担当変えがある。昨年3月から、三宅香執行役が環境・社会貢献・PR・IR担当に就き、同社としては初めて、環境・社会貢献とPR・IRの担当を兼務するようになったという。これにより、環境・社会活動の強化と社外への情報発信を一体的に進めやすくなった。

 高評価の要因として、「持続可能な魚」を使ったおにぎりも挙げられる。昨年12月にMSC(水産管理協議会)認証を取得した紅ザケとタラコのおにぎりをスーパーで発売。一番目立つ包装フィルムの前面に認証ロゴを印刷した。今年1月には、ミニストップでも発売した。顧客に特に人気のあるおにぎりにMSC認証の魚を使うことで、水産物の持続可能性への配慮をより多くの人に知ってもらえると判断した。フェアトレードの商品も業界に先駆けて発売し、ラインアップを拡充している。チョコレートやコーヒーなど約20品目を展開し、これらを専門に扱う店舗や売り場を16カ所で展開中だ。

 イオングループ環境・社会貢献部の金丸治子部長は、「企業が発表したことが評価につながる。取り組んでいることは分かりやすく開示することが重要だ」と言う。

イオンはフェアトレードの商品を扱う専門店舗や売り場を16カ所で展開中だ