海洋プラスチックゴミで作ったシューズ
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なぜ海洋プラスチックゴミを用いたシューズを開発したのですか。経緯を教えてください。
リッキー:省資源やリサイクル素材への切り替え、環境配慮製品の開発に長年取り組んできた結果、当社はサステナブルな企業と認められるようになりました。ESG(環境・社会・ガバナンス)の評価機関からも高い評価を得ていますし、2016年の世界経済フォーラム(ダボス会議)では「世界で最もサステナブルな企業100社(グローバル100)」の5位に選ばれました。
しかし、消費者にそれをもっと伝える必要性を感じました。再生ポリエステルやベターコットンの取り組みを知ってもらいたい。何かに焦点を当てようということで、海のプラスチックゴミを削減する活動に着目しました。海洋ゴミ削減の活動をするNGO「パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ」(以下パーレイ)と2015年にパートナーシップ協定を結びました。
2016年からは直営店でプラスチック袋を段階的に廃止し、フランチャイズ店の多くも紙袋に切り替えました。パーレイが展開する海洋ゴミの回収も支援してきました。
そして2016年11月、海から回収したプラスチック廃棄物を粉砕してペレットにし、糸を作り、それを生地にしたユニフォームやシューズ「ウルトラブースト パーレイ」を発売しました。この生地はサッカーのレアルマドリードやFCバイエルンミュンヘンのユニフォームにも使われています。
気候変動や森林破壊など様々な環境問題がある中で、なぜ海に着目したのでしょうか。
リッキー:海は生命に関わりますし、サンゴの白化や海洋ゴミの問題など危機が分かりやすいからです。2050年までに海洋生物の多くが絶滅するという科学的発表もありました。調べてみると驚くべき問題がたくさんあることを知りました。
ところが、海に着目している人は多くありません。光を当てたいと思いましたね。みんな海を愛しています。日本は島国ですので海は欠かせない存在でしょう。私も泳いだりスキューバダイビングをしたりカヤックをしたり、幸せな時間を海で過ごしてきました。社会的な問題と個人的な感情が組み合わされると、活動は加速するものです。
アディダスではオフィスでのペットボトルなどプラスチック製ボトルの使用を禁止しました。ドイツ本社を手始めに、現在世界75カ所のオフィスで禁止にしています。日本オフィスでも禁止にしています。従業員の反応もよく、活動が勢いづいてきました。
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