中国規制の影響が及ぶのは、雑品スクラップに限らない。
 廃プラスチックは日本国内で排出される約900万tのうち約150万tが輸出される。その半分の約75万tは中国向けだ。自動販売機に併設した回収ボックスなどで集める事業系廃PETボトルを粉砕したフレークの場合、2017年で輸出量が最も多かった8月の約2万5000tから同12月に6000t、今年1月には270tに激減した。代わりにベトナムや台湾、韓国などへの輸出が増えている。

廃棄物の「質」を高めよ

 新聞や雑誌、段ボールを除くその他の紙を束ねた「ミックス古紙」も同様だ。中国政府は今年、異物混入率に基づく制限を適用し、事業者に許可する輸入量を絞ると発表。昨年最大となる8万8000tを4月に輸出したが、今年1月は1万4600tに減った。

 日本に残る古紙を国内循環しようにも製紙会社の設備能力が足らない。古紙業者の古紙ヤードに売り先の定まらない古紙が滞留し始め、買い取り単価も下落した。一方、昨年末からインドやインドネシアなどへの輸出を伸ばしている。

 中国に頼れない今、日本に必要なのはリサイクルの品質を高めることだ。それには回収した廃棄物の分別品質を保ちながら、バージン材に伍する品質とコストのリサイクル素材を実現しなくてはならない。

 関東製紙原料直納商工組合の大久保信隆理事長は、「市民の協力を得ながら高めてきたミックス古紙の質は日本の強み」と話す。日本では、家庭で分別した紙ゴミを回収後、作業者が手で異物を取り除く。異物混入割合の低い、質の高い資源だ。一方、欧米では家庭ゴミをひとまとめに回収し、分別工場で機械選別することが多い。異物が残留し、特に米国のミックス古紙は容器や金属に加え、食品残渣が多いと指摘される。

 大久保理事長によれば、「質の高いミックス古紙が新たに中国に輸出されるケースも見られる」という。

 横浜市内で回収された古紙の選別などを手掛けるリサイクルポート山之内。中国などへの輸出手配も請け負う。2017年度の売上高は前年度比で約4割減に落ち込んだ。だが、運営を担う横浜市資源リサイクル事業協同組合の宗村隆寛理事長は、「中国の製紙業界は引き続き、我々が手掛ける質の高いミックス古紙に関心を寄せている」と明かす。

 昨年末、中国製紙大手の子会社で輸入を担う買い付け担当者がリサイクルポート山之内の古紙保管庫を訪れた。「この質の高さなら中国の検査当局も納得するだろう」と、買い付けたミックス古紙が今、横浜から中国へと海を渡っている。

横浜市資源リサイクル事業協同組合が保管・輸出する質の高いミックス紙