倉田昌明さんとディアナさん。ディアナさんは首都キシニョフの出身。店をオープンする時には両親と妹さんがモルドバから手伝いにきたそうだ
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 そう教えてくれたのはオーナーの倉田昌明さん。店内にはテーブル席のほかに座敷もあってまさに居酒屋。それでいて、モルドバの風景写真やロシアの民芸品マトリョーシカが飾られて異国情緒も醸す。この肩の力が抜けた雑多な空間、不思議と居心地がいい。

まずはママリーガ

 しかし、メニューにあるモルドバ料理は本格的。担当するのは倉田さんの奥様でモルドバ出身のディアナさんだ。モルドバのソウルフードを尋ねると、「国民みんなが好きな料理の中で、特に私の思い入れが強いものです」と言って出してくれた。

「ママリーガとトカナです」

 お皿に乗っていたのは、角切りにした肉の煮込みと蒸しパンのようなもの。ニンニクの香りがふわりと漂い食欲をそそる。

「ママリーガはモルドバの主食の一種。トウモロコシ粉に水と塩を入れて、弱火にかけながら練り上げます。ある程度固くなったところでバターを混ぜてできあがり。トカナのような肉料理やチーズと一緒に食べます」

 まずはママリーガだけを口に入れた。見ためよりもギュッとしていて固め。バターの風味がふわっと香り、やがてトウモロコシの自然な甘みが舌に伝わってくる。クセがないのでどんな料理にも合いそうだ。