卒業式に参列したのは、軽井沢町長の藤巻進、教職員、卒業生の家族、在校生、そして、ISAKの設立を支援したファウンダー。卒業生が入場してくると、会場は盛大な拍手と歓声に包まれた。

 卒業生の代表挨拶を任されたのは、日本出身の男子生徒、コウキ。“We made it!(やり遂げたね!)”と自分を含めた卒業生を称えた後、小林やロッド、谷家の席に目を向けながら話を続けた。「ISAKで行われている数々のイベントも、地域のみなさんとの密な交流も、3年前は何もありませんでした。全部、私たちがみんなで作ってきたんです」。

卒業生代表として挨拶するコウキ。中高一貫校だったにも関わらず、サマースクールに参加したISAKに魅力を感じ、入学を決めた

 「第1期生については、一緒にISAKを作ってきたという思いが強くあります。ISAKのミッションとは何か、どんな学校であるべきか、真剣に向き合ってくれた3年間でした。彼らが果たしてくれた役割はものすごく大きいと思いますし、感慨深いものがありますね」(小林)。

小林が卒業生に贈った3つの言葉

 小林は、卒業生に向けての祝辞で、3つの言葉を挙げた。

 1つめは、“Authenticity(自分らしくあれ)”。私自身、本当に人生を通してやりたいことは何か、自分の方向性を模索し、紆余曲折を経てISAKのプロジェクトを立ち上げた。これまでのキャリアを捨てて未経験の教育事業に飛び込むことには、周囲の反対もあった。しかし、近しい友人や夫からは「これこそがあなたの探していたものだ!」と励まされ、信じて行動した結果、今日がある。大切なのは、自分の人生を生きることだ。

 2つめは、“Resilience(やり抜く力)”。何か新しいことをやろうとする時には、立ちはだかる壁やチャレンジしなければならないことが必ず出てくる。でも、為せば成る。9年前、学校を作るためには15億円が必要なのに、銀行にはたった300万円しかなかった。そこで開催したサマースクールで、ファウンダーが集まった。悲観的になるのはとても簡単だが、未来は自分で作り出すものだ。そう強く信じることができれば、行動に移すことができる。

 3つめは、“Gratitude(感謝の気持ち)”。何があってもどんなに忙しくても、お世話になった周囲の人に感謝する時間を絶対に惜しんではならない。直接助けてくれた人たちだけでなく、陰で支えてくれた人たちにも、すべての人に対する感謝の気持ちを持ち続けてほしい。会った方一人ひとりにきちんとお礼するのは、時間がかかって、非効率に思えるかもしれない。でも、その行為が巡り巡って、必ずまた自分の夢を支えてくれるはず。

教員と生徒で造った演台に立ち、卒業生に祝辞を送る小林。「リハーサルから泣きそうだった・・・」と言い、感無量の思いでこの日を迎えた