2018年5月27日、「ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(UWC ISAK)」は第2期生の卒業式を執り行った。前年8月に国際的な教育機関であるユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)に加盟してから、初の卒業式ということになる。

 UWCは、世界159の国・地域から子供たちを選抜し、日本のUWC ISAKを含めて世界に17校ある加盟校に送り込んでいる。今までの旧「インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)」は、独自のネットワークを駆使して教員や職員をリクルートし、生徒募集を行ってきたが、UWC加盟によってそのネットワークは飛躍的に広がった。

 昨年卒業した52人の第1期生のとき、入学を希望していた中学3年生は世界21カ国・地域から233人だった。今年8月の入学を希望した中学3年生は489人、最終的に45カ国・地域の201人が応募書類を提出し、42人が選ばれている。今回初めて、スウェーデン、デンマーク、南アフリカ、ラトビアからの生徒を受け入れることとなった。2014年8月の開校時には15カ国・地域だった生徒の出身地も、この8月からは72カ国・地域に広がる。

 一方、代表理事の小林りんは昨年8月から半年間、アメリカのイェール大学のワールド・フェロー(ポスドク=博士研究員レベルのフェローシップ)として留学した。今年の1月に帰国、その学びを経て意を決した新たな動きも出ている。

 梅雨前にからりと晴れた5月最後の日曜日、緑に囲まれたキャンパスには、日本だけでなく世界各地から我が子の晴れ姿を楽しみに来日した親が続々と到着していた。晴れやかな顔をして青いガウンを羽織り、四方帽を被っているのは、この日が新たな門出となる卒業生である。

 「ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(UWC ISAK)」は、世界中にネットワークを持つ教育機関ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)に加盟して初めてとなる卒業式の日を迎えていた。その様子をうれしそうに眺める代表理事の小林りんは、感慨深げにこう語る。

 「今年の卒業生は、UWCへの加盟が決まる前に入学してきた子たちです。まだキャンパスも半分ほどしかできていなかったときに入って、まさに学校と一緒に成長してきた学年。しかもUWCに加盟するところまで見届けて、旅立っていく。彼らは『UWCデイビス奨学金』を得る初めての学年でもあります」

進路の幅を広げたUWCデイビス奨学金

 UWCデイビス奨学金とは、奨学金で高校に進学した生徒が、卒業時に経済的理由で大学の選択肢が限られてしまうことを懸念して、アメリカの篤志家であるシェルビー・デイビスが設立した学資支援制度だ。

 もともとUWC ISAKは返済不要の奨学金を用意することで多様なバックグラウンドを持つ生徒が集まる学びの場を形にしてきたが、当然ながら卒業後も経済的な問題はつきまとう。その意味でも、小林はUWCへの加盟やそれに伴うデイビス奨学金には大きな意義を感じている。