小林自身が駆け回るファンドレイジング

 小林にとって一番頭を悩ませているのが、やはり資金の問題だ。2016年だけで7億円のオペレーション費用が発生する。今後数年をかけて生徒数が200人まで拡張すれば、年間10億円のオペレーション費用がかかる見込みだ。大半は生徒の学費によって賄うが、経済的な格差も超えたダイバーシティー(多様性)の実現を目指すISAKは多額の奨学金の用意が欠かせない。毎年3億円ほどはファンドレイジングなどの資金が必要となってくるという。この部分に、小林は「自分の時間の3割近くを使っている」と言う。

 軽井沢町のふるさと納税制度を通じた寄付は、2015年度は2億円近く集まった。また、ISAKに通う生徒の変化を実感した父兄、企業や財団からの寄付も増えてきている。学校の理念に共感してもらったファウンダーを主体とした初期の立ち上げ時とは異なり、ISAKの意義を実感した賛同者に末長くサポートしてもらうという、本来のあるべき学校の姿に近づいているのを小林は実感している。

 開校して1年半――。小林はISAKに手応えを感じているようだ。では、生徒はどんな学びを得ているのか。次回(5月28日公開予定)、3月に実施された「プロジェクトウィーク」の取り組みから探っていく。

(文中敬称略)

本連載が書籍になりました!

 日本初の試みとなる、全寮制インターナショナルスクールの開校。約4年にわたって、その軌跡を追ってきた本コラム「軽井沢にアジアのための全寮制高校を作ります!」が書籍になりました。

 「少数の強いリーダーが全体を引っ張っていくような米国型のリーダーシップのモデル以外にも、日本らしさやアジアらしさを生かした多様なリーダーシップのモデルがもっと意識されてもいいと思うのです」(小林りん)。そのために、ダイバーシティーの環境に身を置いて、リーダーシップを養う教育の場を用意したい。

 そんな思いから始まったプロジェクト。しかし、そもそもどうやって学校を作ればいいのか。ゼロからの取り組みが結実するまでの奮闘を描いています。

この記事はシリーズ「軽井沢にアジアのための全寮制高校を作ります!」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。