(グラフ3)仕事より家庭を優先して働きたい
(グラフ4)家族のことも大切だが、 その前にまず自分のことを優先的に考えたい

 さらに見ると「仕事より家族を優先したいという」傾向も強まっている(グラフ3)が、「家族のことも大事だが、その前に自分のことを優先的に考えたい」(グラフ4)という声は、08年から16年の間に女性で8ポイント、男性で6ポイント上昇した。

(グラフ5)家族とのコミュニケーションは良好である

 調査では、家族間のコミュニケーションについては男女とも8割強が「良好」と答えている。また「仕事」よりも「家族」を優先する傾向も強まっている。だがそれ以上に「自分」に意識が向いているようだ(グラフ5)。

 自分を優先する傾向について、宮川氏は「スマートフォンの普及など通信技術などの影響も大きい」と見る。最近は、家族間でもSNS(交流サイト)を使ってコミュニケーションをするなど、家族同士の会話にも技術が役立っている面もある。だが、それ以上に、友人や外部への発信は増えている。それが、同じ部屋にいても別々のことをするという調査結果に如実に現れている。

父・母・長男・次男が各自のシャンプーを使う

 さらに宮川氏は最近の生活者の特徴として「若い世代を中心に、自分が社会の中でどういう立ち位置にいるか、を気にするようになっているようだ。消費にも『自己実現』を重視する傾向が現れている」と指摘する。

 生活者研究センターではモニター家庭の中に入り込み、掃除の仕方や洗濯の仕方などを調査するが、最近は、シャンプーや柔軟剤なども、家族一人ひとりが、使用感や香りなど、好みの製品を使うケースもよくあると言う。「4人家族の家の浴室に、父・母・長男・次男がそれぞれのシャンプーとコンディショナーを置いている、など家族それぞれが使い分けている光景も見られる。互いに好みを知っていて、それを認め合っている」(宮川氏)

 かつては家族全員が1つのシャンプーを使う光景が当たり前に見られた。「自分」を優先する傾向の強まりは、企業の商品開発にも大きな影響を与えている。

 「かつては、シャンプーについて『家族でこれを使ってください』という勧め方ができたが、今では、新しい情報を載せて、今の時代を生きている生活者に多様な付加価値の商品を出していく必要がある」