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「他の人に貢献できていることに、個人的な楽しみを感じる」と語るウィッカム氏(写真:Misun photography)

無償でコードを書くのは今や当たり前

オープンソース・コミュニティの良さは?

ウィッカム:ある問題に取り組んでいるのが自分ひとりということはほとんどないでしょう。コードの問題で何か解決しようとしていることがあれば、同じ問題に取り組んでいる人が絶対に他にいます。最初は自分で取り組まなければならないかもしれませんが、後は他の人がコードを改善し、貢献してくれる。運がよければ、自分が書いたものよりもっとうまく解決してくれるかもしれません。こうした恩恵はオープンだからこそ得られるものです。

 もっとも、今でこそ無償でコードを書き、共有するのは今や当たり前ですが、20年前はあまり普及していませんでした。そんなことをするのはおかしいという感じだったと思います。時代はだいぶ変わりました。

 Rコミュニティでのやりとりの中で努力してきたことの一つは、できるだけ入ってきた人たちを歓迎し、心地よい場所にするということでした。Rを利用している人々はプログラマーではない人も多いですから、最初はとっつきにくい場合もあるでしょうし。

 そういうRコミュニティの特徴を体現した存在として、「R Ladies」があります。彼らは女性や性的マイノリティのための勉強会などを企画している団体で、Rの習得やスキルの共有ができるように手助けしています。これは本当に立派だと思います。

最後に、今のRの隆盛をどう思いますか?

ウィッカム:Rがここまで成功したことには今も驚いています。昔、Rの会議に参加した時は多くても200人程度でした。それが今では数千人が集まる会議もあります。日本のカンファレンスにも行きましたよ。世界中でフレンドリーなコミュニティが生まれてとてもうれしく思います。