全7262文字
八木澤健人氏がツイッター上で出した転職希望

 クーバネテスのトップ貢献者だったクレイトン氏もIBMからの転職組。オープンソース・ソフトウェアのプロジェクトに関わってみたいと思ったからだ。

 レッドハット側も自社のカルチャーに合うように採用にはこだわる。希望者にはコミュニティへの貢献の有無を必ず聞く。コードへの直接の貢献がなくても、勉強会やスライドのシェア、翻訳など、どんな形であれコミュニティへの貢献を見る。それが独特のカルチャーの維持につながっている。

 「レッドハットに入社を希望する人たちだから当然という面はあるにせよ、最近は採用を見ていても、履歴書にほとんどオープンソースでの活動について書いてある。若い世代は完全にオープンソースネイティブ」。レッドハット日本法人のカスタマーエクスペリエンス&エンゲージメント本部長の安間太郎氏は語る。

 20年前、レッドハットのような会社は変わった会社として奇異の目で見られていた。だが、今ではオープンソースという理由で優秀な人材が集まる。実績が残る、優秀な人材と仕事ができる、技術の変化に関わることができる、など人によって理由は様々だろうが、オープンということ自体に魅力を感じているのだ。

 IBMによる買収でカルチャーの変化に不安を感じる声もあるだろうが、このカルチャーがなくなればレッドハットの価値は半減する。それを理解していれば、優れた鶏を殺すような愚をIBMは犯さないだろう。レッドハットがコミュニティに向き合って四半世紀。ようやく時代が追いついてきた。