解説からレース展開の深読みができる
毎年、箱根駅伝、日本テレビの放送センターゲスト解説が発表になったとき、EKIDEN Newsメンバーは「なるほど、そうきたか」とうならされます。例年、日本テレビのスタジオには箱根駅伝を走ったOB選手がゲストに呼ばれるのですが、日本テレビのゲスト解説陣をチェックすることによって「ああ、日本テレビはこういうレース展開を予想しているのだな」とわかってきます。
来年のゲスト解説、往路は大迫傑(早稲田大OB/ナイキ・オレゴン・プロジェクト)と一色恭志(青山学院大学OB/GMOアスリーツ)。復路は佐藤悠基(東海大OB/日清食品)と服部弾馬(東洋大OB/トーエネック)という組み合わせ。これが、箱根駅伝ファンにはたまらない人選なのです。

まず【往路】の大迫・一色という組み合わせは、2014年90回大会で1区を走った2人。スタート直後から飛び出した大迫選手にぴったりついていった当時1年生の一色選手は、1区終盤のスパートポイント、六郷橋でふいにペースを落とした大迫選手に前に出される形で先頭をひっぱる羽目になってしまいます(結果、大迫が区間5位、一色が区間6位に終わる)。2人には1区スパート合戦について、過去も振り返りながら話を聞きたいところ。
そして、今回の箱根駅伝2区には神奈川大学の鈴木健吾、順天堂大学の塩尻和也という、1999年から破られていない2区の日本人区間記録更新を狙える選手の出走が予想されます。一色選手は3年連続2区を走り、2017年 の箱根駅伝では鈴木、塩尻両選手と2区も走ったばかり。手合わせをした彼だからこそ、話せることがあるはず。つまり、日本テレビは「往路は序盤が面白そうだぞ」と思っていると、深読みすることができるのです。

そして【復路】は往路で青学・一色というカードをすでにきってしまっているから、青学OBはつかえない。青学を止めるのはどの大学? というテーマで、東海大、東洋大のOBを選んだのではないかと、深読みしてしまいます。佐藤悠基選手は東海大OBでもあり、佐久長聖高校時代は両角速・現東海大監督の元で走っていたという選手。「東海大と両角監督」両方について解説も期待できたりします。
余談ですが、箱根駅伝を報じるのはテレビだけではありません。ラジオ日本、NHK、文化放送と3局のラジオでも生放送で解説がきけるので、映像を日本テレビ、音声をラジオにして楽しむという通向けな楽しみ方もあります。日本テレビが往路序盤勝負的キャスティングをしているのに対して、文化放送は【往路】柏原竜二(東洋大OB/富士通)神野大地(青山学院大OB/コニカミノルタ)【復路】花田勝彦(GMOアスリーツ監督)今井正人(順天堂OB/トヨタ自動車九州)といった初代、二代目、三代目山の神を並べる「山重視」の布陣となっています。
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