「どうして箱根駅伝だけが、あんなに人気があるの?」というテーマで原稿を書くことになりました。はじめまして。EKIDEN News主宰の西本武司ともうします。

 EKIDEN Newsとは、箱根駅伝にあまりにものめりこみすぎて、箱根駅伝が行われる1月2、3日以外にも箱根駅伝に関するものにひたりたいと、関東インカレや日本全国で行われている記録会やレースを観続けているうちに知り合った筋金入りの「箱根駅伝好き」たちが集まって運営しているニュースサイトのこと。主な活動拠点はツイッター(@EKIDEN_News)。EKIDEN Newsメンバーは日本中あらゆる場所で行われている競技会やマラソン大会に呼ばれもしないのに出向いては、テキスト、写真、映像などを通じてレース情報を「共有」しつづけています。

 たまに「収益のモデルは?」「取材費はどこから出てるの?」なんてことを聞かれるのですが、「全て自腹」(笑)。今年の夏はロンドン世界陸上全日程(11日間)を観るために、スタッフ一同、それぞれが抱えている仕事を休み、Airbnbで家を借り、部屋で自炊をしながら、世界陸上を放映するTBSの隙間を縫うような小ネタをスタジアムからツイッターで投稿しつづけておりました。もちろん渡航費も宿泊費も自腹です。昨今流行りの「好きなことを仕事にする」にちょっと似ているようではありますが、全く稼いでいないですから、かなり違います。

西本武司です。「走ること」の面白さに本格的にのめりこんで9年ほどになります。写真は今年のニューヨークシティマラソンにて
こちらはロンドン世界陸上の取材にて。マラソンコースの石畳を、カメラを持ってひた走っておりました
襷ならぬバトンを見事につないで銅メダルを獲得した男子400mリレー。歓喜の瞬間を体感できる現地取材、やめられません
競歩男子50キロで見事、銅メダルを獲得した小林快選手(ビックカメラ)とパチリ。取材です。自腹です

 そんな我々でしたが、捨てる神あれば、拾う神あり。最近、ぴあから『あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド! 2018 (ぴあMOOK)』という、箱根駅伝のコース地図だけを徹底的に解説する本を出したのですが、まだ原稿を書いている途中、つまり入稿もできていないうちから、ツイッターでチラ見せしただけのタイトルを手がかりに、「箱根駅伝マニア」たちの予約が殺到。Amazonをはじめとしたネット書店の予約カートが次々と落ちていくという事態が発生。まだ書き終えていない本がAmazon本総合ランキング1位をとってしまったことにあわてた出版社が入稿前に2度の増刷が決めるという、まさかのスマッシュヒット。

 「ああ、はじめて陸上関係でお金がもらえるなあ」と思っていたところ、出版不況時に景気のいい話を聞きつけた日経ビジネスオンラインから「何か書いてみませんか?」ということで、どこまで続けていけるか、書いているぼくも編集担当Sも未知数です。

 「うちの大学、箱根出ないし」と、箱根駅伝をこれまで「他人事」として観ていた方。生まれも育ちも福岡であるぼくもそうでした。でもね、2017年の箱根駅伝の視聴率は27.8%。これだけテレビを観なくなったと言われる時代に、この数字を叩き出しているのは驚異じゃありませんか? 箱根駅伝に興味のある27.8%の方だけでなく、残りの72.2%の人も意識しつつ、2018年の箱根駅伝の楽しみ方について書いていきます。