注目はこの選手。

メディアアーティストの落合陽一さんにちょっと似ていますが、設楽悠太選手(東洋大→HONDA)です。双子の兄・設楽啓太(東洋大→コニカミノルタ→日立物流)とともに、東洋大学を箱根駅伝優勝に導いたことで、陸上ファンの間ではおなじみ(ですよね)。

元箱根駅伝7区区間記録保持者(今年、青山学院大学の林圭介選手により更新される)でありながらも、学生時代はどちらかというと兄のほうが目立つ存在でありましたが、大学卒業後は記録を伸ばし続け、世界陸上北京、リオ五輪で10000mトラックに出場。

と、そもそも輝かしい経歴をもつ選手なのですが、昨年の夏以降から、この設楽選手、とにかくすごいのです。好記録を連発しているんです。
設楽悠太、無双の先に
日付 | レース名 | 記録 | 成績 |
---|---|---|---|
7月13日 | ホクレン網走10000m | 28分24秒60 | |
9月9日 | プラハグランプリ10K | 28分56秒 | |
9月16日 | ウスティハーフマラソン | 60分17秒 | 日本記録更新 |
9月24日 | ベルリンマラソン | 2時間09分03秒 | 自己ベスト |
11月25日 | 八王子ロングディスタンス10000m | 27分41秒97 | 日本人トップ、自己ベスト |
12月3日 | 甲佐10マイル | 45分58秒 | 優勝 |
1月1日 | ニューイヤー駅伝 | 4区区間賞 | |
1月21日 | 都道府県駅伝 | 7区区間賞 | |
2月4日 | 丸亀ハーフマラソン | 61分13秒 | 日本人トップ |
2月11日 | 唐津10マイル | 46分12秒 | 優勝 |
1つ目のポイントは、9月に立て続けに走った3つのレース。
セオリーですと、フルマラソン直前はレースを入れないものですが、設楽選手はハーフマラソン日本記録を更新するペースで走りながらも、翌週にベルリンマラソンで2時間10分を切る自己ベストを更新。この3連戦を、設楽選手はあの厚底シューズ「VAPORFLY 4%」で走り切ります。
以前こちらのコラムでも、「VAPORFLY 4%」はそれまでの自らのフォームとハマるかどうか、両刃の剣であることを書きましたが、どうやら設楽選手にとって「VAPORFLY 4%」は、ズバリはまったシューズなようなんです。
次のポイントは、11月25日の八王子ロングディスタンスでの自己ベスト。これはトラック競技でありますから、選手はスパイクシューズで走ります。
が、設楽選手の足元を見てください。

外国人選手も皆、スパイクで走る中、設楽選手だけが「VAPORFLY 4%」で走っているのです。しかも、スパイクを履かずに自己ベストを更新。スパイクを履いて走った7月のトラックレースよりも格段に良いタイムを叩き出しているのです(7月の網走は暑くて、全ての選手のタイムは低調だったとはいえ)。
圧巻だったのは1月21日の都道府県駅伝。1km2分50秒という高速ペースで淡々と走り、

前を行く長野県の關颯人(せき はやと)選手(東海大学のエースランナーですよ)をするりとかわして、そのまま大差をつけてゴール。

昨夏からあらゆるレースで無双状態だった設楽選手が、今年の東京マラソンに出場する。しかも、本人自ら「日本記録更新を目指す」と言っているのですから、これは絶対、注目なのです。
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