NIKEの厚底ランニングシューズが、いまだに話題です。
NIKEの厚底シューズとは、今年の箱根ランナーたちがこぞって履いて好記録を連発した「NIKE ZOOM VAPORFLY 4%」と、その廉価版モデル(というか、そこまでシビアじゃないモデル)「NIKE ZOOM FLY」のこと。
「NIKEの厚底のシューズいいの?」と、年明けからたくさんの人に聞かれました。ランナーならまだしも、走ったことのない人からもです。
箱根ランナーたちも履いた「VAPORFLY 4%」は2万5920円。「ZOOM FLY」は1万6200円。比べてみると「ZOOM FLY」がお買い得に見えますが、サブ3(フルマラソンを3時間以内で走ること)を目指す市民ランナーのど定番、アシックス ターサージールが1万5120円であることを考えると、やっぱりお高い(価格はいずれもメーカーオンラインショップ)。
しかも、高いほうの「VAPORFLY 4%」は、軽さを実現するために耐久性を犠牲にしたこともあって、フルマラソン2~3回分しかソールがもたないとまで言われているモデル。つまり、超コスパが悪いシューズなのです。
加えて、そのシューズに見合ったフォームや脚力も求められることもあり、「あんまりオススメしないけどなあ」と答えてきたぼくでありました。もっと、他にもいいシューズはあるよと。
定説は200km、新説は2000km?
ところが、とんでもないランナーが現れました。ロンドン五輪マラソン日本代表であった藤原新選手です。現在、ケニアで長期合宿中の彼がツイッターにあげた「VAPORFLY 4%」がこちらです。

「バネは死してもクッションは死なず。VF4%の寿命は2000kmの新説。」
よく見ると、かかとのソールは崩れ、赤土が埋まり、右のつま先は何度も何度も蹴り上げたためだろうか、削れを通り越して、ソールに穴が空いています。ここまで壮絶な「VAPORFLY 4%」は、NIKEの耐久性テストでも見られないことでしょう。
「VAPORFLY 4%」の耐久性は先ほども説明したとおり、フルマラソン2~3回分。つまり200kmほどと言われるなか、藤原選手は毎日「VAPORFLY 4%」を履いてケニアの悪路を走り続け、ついに2000kmに到達したそうなのです(しかも、まだ履き続けているらしい)。
もし、この記事をご覧の方の中でNIKEの偉い人がいたら、ぜひ、藤原選手に新しい「VAPORFLY 4%」を送ってあげてほしい。
いや、別に藤原選手が靴に困っているというわけではないでしょうが、彼ほどに「VAPORFLY 4%」を知り尽くした選手はいないのかもしれません。
ただ、ここまで履き続けてしまうほどに、「VAPORFLY 4%」というシューズはハマるとすごいらしいのだ。という話がしたいのです。
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