さて、前回のタイトルは「2018年の『箱根駅伝』は足元が厚くて熱い! ミズノの牙城にNIKEの刺客『超厚底』が」で、ありました。
走るのは、靴ではなくて、人
NIKEが新たに開発した厚底シューズ「NIKE ZOOM VAPORFLY 4%」が、箱根駅伝を席巻するんではないか? そのシューズを積極的に取り入れた東洋大学に注目せよ! 的な内容でありましたが、箱根駅伝がスタートして震えました。まさにそのとおりの展開となり、下馬評を覆すかのように、東洋大学が往路優勝を果たしました。最終的には、地力の勝る青山学院大学が勝利するのですが…。

レース終了直後、EKIDEN Newsメンバーで、箱根駅伝出走ランナーが履いていたシューズをメーカー別に集計したところ、下記のような結果となりました。
・ナイキ 58人(昨年36人) うち、【ヴェイパーフライ、ズームフライ等の厚底タイプ】39人 ・アシックス 54人(昨年67人) ・ミズノ 37人(昨年54人) ・アディダス 35人(昨年49人) ・ニューバランス 23人(昨年4人) うち、【NBの三村モデル】18人 ・ミムラボ※ 3人(昨年0人) ※ニューバランスと契約する前に、三村さんが「ミムラボ」で作ったシューズ

これまで、アシックスとミズノの国産メーカーで半数を占めていたシェアが、一気に変わりました。NIKEがZOOM VAPORFLY 4%によって大きく数字を伸ばしたことは一目瞭然なのですよね。
(編集担当S)来年の箱根はこのシューズ一色に?
…ところが、そうはならないのが面白いところ。なぜなら、走るのは靴ではなくて、人間だからです。
このシューズは見た目の厚底に注目が集まりますが、特筆すべきポイントは、シューズ前面部に入ったカーボンプレート。この反発力がすごいのですが、スイートポイントが合わないと、ただただ、疲れるシューズとなってしまう。
そのため、練習から使っていき、慣らしていく必要があったのですが、厚底と軽さを両立させるために耐久性が低いため、何足も用意して、普段の練習から使っていくわけにもいかない。
今回も、ニューイヤー駅伝や箱根駅伝でも、このシューズを取り入れようとさまざまな選手がトライしたようですが、自分の走り方の特性や着地ポイントがこのシューズとは合わず、「自分には合わない」と見送った選手も多かったようなのです。
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