つまり、どういうことを言いたいかというと、「箱根駅伝をもっと楽しむポイントは箱根駅伝以外の日にある」ということ。
もはや何を言っているかわかりませんが、青学の4連覇も、1年を通じてずーっと観続けていると、いくつかのポイントとなるレースや記録会があり、出雲、全日本、といった学生三大駅伝だけでなく、「あっ。やっぱりここがポイントだったな」という場所が出てくるのです。
高根沢と世田谷で光っていた「青学7区」
今回の青学においては、2017年1月7日に栃木県で行われた「高根沢元気あっぷハーフマラソン」(箱根駅伝に出走しなかった選手が走るネクストブレイク枠)。

そして、2017年11月11日に行われた「世田谷246ハーフマラソン」(アップダウンのある仮想箱根コースでの学内選考レース)。

どちらの大会でもいい走りをしていたのが、林奎介選手。これまで学生三大駅伝には全く出ておらず、各大学からノーマークの中、今回の箱根駅伝で、7区で区間新記録、そして箱根駅伝のMVPである「金栗四三杯」を獲った選手です。

箱根駅伝終了後、EKIDEN Newsのメンバーでは、「やっぱり、高根沢と世田谷のハーフがポイントだったか!」と、青山学院原監督の采配に膝を打ちました。
原監督は今回の勝因の1つとして、「過去3年のデータをまとめた」ことをあげています。メディアの誰もが注目しないようなローカルレースも、観続けていくと、点と点が線となり、俄然、輝いてきたりするのです。
この連載のテーマは、「どうして箱根駅伝だけが、あんなに人気があるの?」でありますから、レース内容はスポーツメディアにまかせて、外側から観ていきましょう。
紅白もビックリ! 瞬間最高視聴率は復路35.7%
まずは今年の箱根駅伝、視聴率がすごかった。2日の往路が29.4%、3日の復路が29.7%。往復の平均視聴率は歴代2位となる29.5%。瞬間最高視聴率は、往路が34.2%(午後1時、5区)、復路が35.7%(午前9時、6区)。
「箱根駅伝は、朝からテレビをつけっぱなしだから、視聴率がいいんだよ」といわれていますが、1月3日朝9時が最高視聴率を叩き出しているのですから、朝からテレビをつける人が増えていって、尻上がりに視聴率が伸びる、ということではなさそうです。
ちなみに、ドラマ「陸王」の舞台にもなった、実業団選手によるTBSの「ニューイヤー駅伝」の平均視聴率は12.4%。昨年の平均視聴率は12.7%だったから、若干下がっている…。どうやらTBSは、「陸王」ブームをニューイヤー駅伝までつなげることができなかったようなのです。
実際、スタート地点である、群馬県庁前に集まった人は、例年よりも若干、少なかったように思えました。

スタート直前の群馬県庁前は詰めるとまだ座れそうなのに対して、箱根駅伝はこのようになっていました。


一方、箱根駅伝で往路復路ともに最高視聴率を叩き出しているポイントは、スタートや花の2区、レース終盤のシード権争いやゴールではなく、5・6区の「山区間」であることから、ここに秘密がありそうですね。このあたりは、おいおい取材を進めていこうと思います。
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