続編はネットでのイッキ視聴も可能

 そんななかケーブル局は、ネット配信事業への進出にも躍起。ShowTimeもオリジナルコンテンツを充実させながら、有料、無料のネット配信事業も手掛けている。アメリカのテレビ番組でも、ヒットが約束されたシリーズものや、手堅く視聴者を引きつける再放送番組ばかりが並ぶ最近、これから先何年もレガシーとして、鉄板で稼いでくれそうな「ツイン・ピークス」は三顧の礼で迎えたコンテンツだったのだろう。

 …と思いきや、続編のプロジェクトが開始したあとの2015年、デビッド・リンチ監督が「脚本を書くために十分な金額が提示されなかったから」との理由で、降板を表明。結局は数カ月後に復帰したが、まあ、映画出身のリンチ監督に「好きなようにやっていいよ」と言えるほど太っ腹のテレビ局って、もうどこにもないってことだと思う。

 一方、日本での視聴方法にも、25年間という月日の重みがずっしり。例えば続編の「ツイン・ピークス The Return」は日本ではWOWOWの独占放送だが、WOWOWに加入して「WOWOWオンデマンド」というアプリをスマホなどに入れると、旧作30作はいつでも好きなときに見られる仕組み。まだアメリカで放映中の続編も、毎週1本ずつWOWOWで放送されるほか、オンエア済みの回ならアプリでいつでも視聴できてしまう。

 それも日本のテレビ局がやってる「見逃し視聴」なんかと違うのは、今年の12月までアプリで視聴可能なこと。放映が終わるまで我慢すれば、続編イッキ視聴もやろうと思えばできる。しかも最近WOWOWのこのアプリは、クロームキャスト対応も開始した。つまりグーグルのクロームキャストという5000円くらいの機械をテレビの後ろに挿して、スマホの画面のクロームキャストのボタンを押すと、アプリのコンテンツをテレビで見ることも可能だったりする。

 簡単に言うと、レンタルビデオ屋で知らない誰かの後を追って毎日連続ドラマのビデオを順番に借りにいき、なのに知らない誰かの返却が遅れたもんだから、足並みが乱れて「今日見るものがなーい!」みたいな煩わしさを乗り越えて30話見通した25年前とは、視聴方法も驚くべき進化を遂げている。

 多チャンネル世帯が8~9割に上るというアメリカと事情は違うが、WOWOWのこの太っ腹なネット配信。来たるべきネット配信が主役になる時代を見据えて「その節は、うちへぜひどうぞ」というメッセージが聞こえなくもない。