チェリーパイ、ダイアン、魚味のコーヒー、デニスとデニース、盆栽の贈り物…などなど。これらのキーワード、聞き覚えはないだろうか。1990年の初めにアメリカのテレビドラマシリーズとして製作され、世界中を混乱の渦に…いや世界中の視聴者を引きつけた「ツイン・ピークス」だ。

チェリーパイ、ダイアン、魚味のコーヒーなど。これらのキーワードで1990年代に大ヒットした「ツイン・ピークス」。続編の見どころとは?(©markstout-123RF)

 「訳が分からないもの」の代名詞、現代アートから影響を受けているデビッド・リンチの監督作品で、ドラマの訳の分からなさも現代アート以上。にもかかわらず日本では、海外ドラマブームの先駆け的存在の作品となった。

 当時は自分も、あまりの訳の分からなさゆえ、「さっきのあのシーンの意味をおせーて」と混乱したまま毎夜近くのレンタルビデオ店に走り、30話を約半月で見倒した記憶がある。その「ツイン・ピークス」の続編が米国で完成し、7月から日本でも「ツイン・ピークス The Return」というタイトルで、WOWOWでのオンエアが始まった。

 まあ、続編っていっても、25年ぶりっていう気の長い続編だし。これを楽しむにはけっこうな準備も必要だ。自分の場合、25年前にほぼリアルタイムで見たきり、その後は一度も見直していない旧シリーズ30話をおさらいすることになった。

 しかし、人の記憶というのは、ほんと当てにならないもので。年を取ると、「昔のことだけはよく覚えている」と言う人がいるが、25年も昔のドラマなのに、人の名前やら、ストーリー展開やら、印象的なシーンやら、自分がうっすら覚えていたのはたぶん全体の2~3パーセント程度。あんなに熱狂して見ていたのに、劇中で事件などが起こるたび、「うそー!」といちいち新鮮に驚くことができる。