今は失われたファッションの独創性に脚光

 ちなみにドン小西さんは、「地球の男の数は35億(人)」とか、バブル臭漂うネタで人気になっているブルゾンちえみのネタにも登場したことがある。ファッションデザイナーのコシノジュンコさんをリスペクトしているとかで、80年代風ファッションやメイクの女社長に扮したブルゾンちえみが言うのだ。「ドン小西にファッションを教えたのはワタシ」。

 どんな気分か聞いてみると、意外にもこんなお答え。

 「当時のファッションと一緒に、バブル期のパワーを今に伝えてくれるのは、素直にうれしいよ。だって今回の『バブル』ブームで改めて思ったけどさ、ファッションの立ち位置が激変しちゃったもんな」

 かつてモードといえば、一般大衆はため息をつくだけの高嶺の花。独創性を持ったデザイナーが一部の人に向けて作ったファッションが、大衆を魅了し、時代を引っ張っていくものだったという。

 「ところがストリートファッションの興隆やSNSのおかげかね。今は一般大衆のほうが主役の”大衆ファースト”。まず大衆に受け入れられないとトレンドも始まらない」

 最近のファッションは、よく「マーケティングがデザインしている」と言われるという。かつては大衆を引っ張る立場だったファッション界も、大衆受けするものを探して服を作るように。「こんなんじゃ、新しいクリエーションなんて生まれっこないって」と、ドン小西さんは言う。

 まあ、一般大衆にとってはどっちがいいんだか悪いんだか分からないけど、ファッションにしても何にしても、バブルの頃のような妙にざわざわしたときめきを感じることがなくなったのは確かだ。そんな、リアルバブル世代には、うれし恥ずかしの「バブル」ブーム。まだやってますか。そうですか。