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間もなく受験シーズンだ。写真はイメージ(写真:PIXTA)

 本年も終わりに近づいている。平成の最後の年の瀬ということで、今年のニュースや、平成のまとめのような記事がいろいろな雑誌で企画され、その取材もいくつか受けた。

 そんな中で、私が最も多く取材を受けたのは、東京医科大学の不正入試問題に端を発した、不正入試や、特に女性差別、多浪生差別の問題である。私が医者であると同時に、受験勉強法の研究家という立場を有しているからなのだろう。

 このコラムで9月にも問題にしたが、実は、この「差別」に対して、医者の世界では、意外に「仕方ない」「理解できる」という声が強かった。

 また、点数だけで医者を選ぶことについての批判は根強いことから、不正入試の温床になった面接の廃止を打ち出した学校は今のところない。

 今回は、これからの時代の、日本のサバイバルという観点から、あるべき入試、理想的な入試、少なくとも今よりましな入試について考えてみたい。

2020年入試改革と不正入試

 さて、現在進行形で発覚している不正入試や女性、多浪生差別で用いられたのは、小論文や面接の点数操作である。

 例えばこの発覚の端緒となった東京医大の第三者委員会の報告書によると二次試験の小論文で、女性と4浪以上の男子受験生に、取った得点に0.8をかけるという操作が一律に行われていた。

 その後の医学部歯学部のある国立私立大81校を調査した文科省の関係者の話として、産経新聞は「このうち点数化されにくい私立大の面接で、性別や浪人年数により合否判定に差異があると疑われる事例が見受けられた」と報じている。

 実際、2年間で165人の受験生を合格ラインに達していたのに不合格にしていた順天堂大学では、面接で点数を操作していたことが明らかになっている。

 要するに、ペーパーテストのように客観的に点数が明らかになるような試験では、たとえば得点開示を求められた場合に断るのが困難(実際、国立大学では原則的に得点開示はなされる。私立でも裁判をすれば求めることは恐らく可能だろう)なので、点数化しにくく、客観的な判断基準が作りにくい面接や小論文が得点操作の材料に使われるのは想像に難くない。

 実は、文科省の方向性としては、かなり前からペーパーテスト偏重に一貫して否定的であり、国立大学でも面接や小論文の割合を増やすということが進んでいる。

 そして、補助金の増額や減額をちらつかせて(現在は、国立大学は独立法人化しているので、補助金が減額されると研究を縮小するどころか、職員の給与を減額するか、職員のリストラをせざるを得なくなる)面接試験や小論文を課すことを、実質的に義務付けようとしているのだ。

 それが2020年度からの入試改革である。