東京医大の不正合格問題が思わぬ波紋を呼んでいる。私立大学支援事業の対象校の選定で便宜を図ってもらった見返りに、文部科学省の事務次官候補とも言われるキャリア官僚の子弟を医学部に不正な形で合格させていた。それをきっかけにした調査で、女性の受験生を一律に減点していたことまで発覚し、世間を驚かせた。

女医を敬遠する雰囲気が医学部入試の女性差別につながったのだろうか。写真はイメージ(写真:PIXTA)

 医学界の裏側に精通する医師であっても、女性の一律減点について知っていた人はほとんどいなかったはずだ。今回は東京医大の不正合格問題が示唆する、日本人のサバイバルにかかわる大問題を私なりに考えてみたい。

女子一律減点に理解示す医師

 意外なことに医師の間で女子受験生の一律減点に関して、「仕方ない」という声が強い。医師向けの人材紹介会社「エムステージ」が男女の医師を対象に実施した緊急アンケートによれば、「東京医大の入試において女子を一律減点していることについて」という問いに「理解できる」と回答した人は18.4%、「ある程度理解できる」とした人は46.6%に上り、合計65%が一定程度の理解を示した。私も一律減点が発覚してから2人の女医とお話しする機会があったのだが、2人とも仕方がないという言いぶりだった。

 女医の西川史子さんはテレビ番組で「(入試の成績順に)上から取っていったら、(男性より優秀な)女性ばかりになってしまう。体重が重い股関節脱臼の患者を女性医師が背負えるかと言ったら無理だ」「外科になってくれるような男手が必要とされている」と、医学界の実情を説明した。

 医師は体力が求められる仕事なので、男性医師を優遇して当然だ。これが日本の医学界の「常識」だとすれば、本末転倒だと私は考える。女医は体力的に劣るという事情は万国共通だ。それにもかかわらず欧米では女医は十分な戦力になっているのである。

 経済協力開発機構(OECD)の調査によると2015年時点で、OECD諸国の女医比率は平均46.5%だ。女医の比率は旧社会主義国で高い傾向にあり、最も高いラトビアは4分の3近くに達する。欧州諸国は軒並み4割を超えており、女医が比較的少ないとされる米国でも34.6%だ。それに対して日本は20.3%で、韓国の22.3%にも抜かれて最下位である。