日大アメフト部の問題では、当時の内田正人監督が大学の常務理事を兼任していたこともあって、大学全体や理事長の問題点も指摘されることになった。

 注目すべきは不正行為を担った人の、その後の処遇だ。

同情されない日大コーチ

 日大アメフト部の問題では、内田監督の意をくんで選手に反則を命じたとみられるコーチは同情されることもなく、アメフト界から追放された。

 オウム真理教の事件では教祖だけでなく実行犯の死刑が執行されたばかりであるが、上に命じられての犯行だったとしても罪が減じられることはないと考えるのが原則のようだ(暴力で脅された場合はともかく、勝手に上の圧力に忖度した場合は特にそうだ)。

 医者の世界については、日本の場合は、上からの圧力に屈して、時代遅れになっている治療法や、かえって害があることが明らかになっている治療法を行った場合に、民事でも刑事でも訴えられたことはあまりないが、米国では、例えば5年後の生存率が低いことが大規模調査で明らかになっている治療を行った場合は、訴訟を覚悟しないといけない。日本でも、その流れになっていくことは十分あり得るだろう。

 2006年に公益通報者保護法が施行され、多少は世の中に浸透してきたことや、インターネットの普及を通じて告発の敷居が下がったこともあり、上の言いなりになって、法に触れる行為や、相手に損害を与える行為を行ったことが表ざたになるリスクは増してきている。

 上の言いなりになることで出世などの見返りが得られることも考えられるが、発覚するリスクの大きさを考えると割が合わなくなってきていると考えるべきだろう。

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