この手のことを知っているだけでも認知症に対する恐怖感は多少は和らぐのではないだろうか?
困難を避けることはある程度可能
ただ一方で認知症は軽度のものから重症のものまであり、進行性の病気であることも確かだ。
軽い人であれば記憶障害程度で、ほとんど知能は低下しない。重ければ人の顔もわからなくなるし、最終的には普通にしゃべることも困難になる。
そして、私が浴風会病院で学んだのは、人間の知能は、意外に脳の変性や萎縮と正比例の関係になっていないということだ。
同じくらい脳が縮んでいたり、解剖してみて変化が著しいことが分かったりしても、さほど認知症の症状を呈さない人もいれば、ひどい認知症のようになってしまう人もいる。
その差は何かというと、頭を使っているかどうかというのが私の仮説である。
確かに米国のレーガン元大統領や英国のサッチャー元首相が認知症になったように、頭を使っていても、認知症になる人はなるのだが、私の見立てでは、彼や彼女が大統領や首相のように頭を使う職業についていなければ、もっと早く発症しただろうし、もっと速く進行していたということだ。
少なくとも認知症になってからは頭を使っているほうが進行のスピードが遅いのは確かなことだ。
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